『強盗童話』には語られない部分が多い。
すべてを読者の理解に委ねる作者からの信頼と、ちょっぴりの意地悪さがあるからだ(もちろんいい意味で!)。
本編を読む前にこちらを読んでも面白くはないだろう。
本編を読了して、膨らませた想像を答え合わせするかのように読むことをオススメしたい。
語られなかった部分ひとつひとつに「ああーっ…!」と膝を打つ驚きに満ちている。
ただ知識欲を満たすだけの、無機質な設定の羅列ではない、読み物として作者自身から語られる贅沢な読後の一杯である。
(珈琲か紅茶かは、お好みで。)