第39話 異世界の崩壊と融合、そして戦争の始まり・・・
時は少し巻き戻り、嵐がアデルの衣類が消えた事に付いて考えている時であった。
突然嵐のパソコンにノイズが走り一切の異世界に関する制御が効かなくなったのだ。
「あれっ?なんだこれ?あれ?あれれ?」
アデルの衣類が消えた事に関する仮説を魔力の糸で作られた衣類だったので時が戻り魔力に還元されたと予測していた嵐はその思考をストップさせる。
この時、嵐を観測者として認定していた神からの加護が突如消えたのだ。
理由は簡単、異世界の存在を他の者に伝えてしまったからだ。
だがそれでもパソコン内で映像として七志の事を見る事は出来る、フォルダに関する操作も依然受け付けていたのでそれ程深くは考えていなかったのだが、この時既に自体は思わぬ展開を迎えていた。
場所が変わり別のとある観測者は怒りに震えていた。
神から選ばれた異世界を観測する存在であるのは自分だけではない、その上そいつはそれを使って動画投稿サイトを利用しお金儲けを行なっていたのだ。
「ふざけるな!こんな事が許されていいのか?!」
そして、その観測者は自らが作り出した一つのバグを異世界へ向けて放ってしまう。
それはカードゲーム等に在る生命の生贄を使った犠牲用いて更なる力を召還するシステムである。
「俺が選ばれた存在でなかった世界なんて滅びてしまえばいいんだ!」
観測者が放ったプログラムにより様々な異世界へバグは放流され星の数ほど在る異世界にそのシステムが働きだした。
それはどの世界にも共通して存在するゴブリンをバグらせる物であった。
他者の命が消える時にその命から放たれる存在の力をそのゴブリンが吸収する様に設定されていたのだ。
そして、それはそのゴブリンが殺された場合も近くに居る他の生物にそのバグが存在の力と共に入り込む。
恐るべきはこのシステムは一定数の生命が殺され、その力が一定量を超えた時にその世界を崩壊させると言うプログラムが組み込まれていたのだ。
そして、様々な世界で崩壊が始まった・・・
だがしかし、実に8つの異世界でこの観測者の思惑を打ち砕いた存在があった。
それはそのバグを取り込んだ生命を殺すのではなく様々な方法で無力化させる事に成功した者達である。
だが異世界を司る神と呼ばれる存在は崩壊した様々な世界の連鎖的消滅を止める事が出来なかった。
8つの世界以外では全てが崩壊させられ生命は全て消滅させられた。
そして、生き残った8つの世界でもそのバグの影響を免れたのは極一部だけであった。
七志の居た世界でも偶然にも強化され過ぎたアナザーゴブリンを殺す以外の方法で倒せたのは七志だけであった。
七志が行なったのは回復魔法『ヒール』による超回復を行なう時に消耗する消費カロリーを極限まで増大させアナザーゴブリンを餓死させたのだ。
自ら消耗しつくして死ぬと言う他者が一切関与しない死に方だった為に七志の居た地区だけは無事であったのだ。
だが、他の地域に出現したバグを抱えた存在は別の存在に殺されたりその存在の所有力が限界を超えて崩壊を始めた。
無に帰る異世界を食い止めようと神と呼ばれる存在が取った最終手段、それは生き残った一部しか残っていない異世界同士を融合させて一つの世界とする事であった。
こうしてこの日、数多あった異世界は一つに統合され8つの生き残った勢力によるバトルロワイヤルが始まるのであった。
他者を骸とする事で同胞に進化させる『死神一族』
他の生命を取り込み自らを進化させる『植物族』
海中を支配する人魚を筆頭とする一族『海人族』
他者を自らの一族に生まれ変わらせる『怪虫族』
全てを喰らい自らの血肉とする生命体『肉食族』
全てを凍らせて取り込む事で生き長らえる『氷結一族』
冥界の門を開きそこから無限の力を使用する『魔界族』
そして、詐欺魔法の使い手七志を筆頭とした『人間族』
今、世界は戦乱に包まれる。
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