その世界、不具合侵食中につき?〜Bug The World〜
鏡月 空
第一話
夕日の光がカーテンの隙間から差し込んでいる
そして病室を明るく照らしている
外では蝉が鳴いている
「ママ大丈夫?」
少年は隣の横になっている母親を心配する
「大丈夫よ今日の手術で治るからもう少しすれば動けるようになるわ」
「やった!ママと遊べるんだよね!!」
「ええ、そういえば今日お父さんは?」
「パパはざんぎょーだって」
「そう今日は来てくれないのね」
「大丈夫だよ!おとーさんおかーさんの為に何かを作ってるみたいだったし」
「パパが?」
「うん何作ってるのか分からないけどたまに「ママ待っててね」って聞こえてくるからきっとママの為に何か作ってるんだと思う」
やがて日が落ち始め蛍光灯の明かりがつく
「もう暗くなるから早く家に帰りなさい」
「でももうちょっとおかーさんとおはなししたい!」
「お父さんが帰ってきてるかもしれないから早く帰りなさい」
「むーじゃあ約束!」
「約束?」
「また明日っていう約束!」
少年は母親に小指を向けている母親はその指をとり
「「ゆーびきりげんまんうそつーいたらはりせんぼんのーます」」
「「ゆびきった!」」
「またねーおかーさん」
「ええ、気をつけて帰るのよ」
「うんわかったまたねー」
少年はブンブンと手を振り
母親は手をふりかえしている
そして少年は家に帰る
あたりは既に暗くなっていた
セミの声もなくただ静かに
静寂に包まれていた
AM8:00・自宅
ピピピピッ!ピピピピッ!
目覚ましのアラームで目が覚める
「懐かしい夢を見たな」
あれは、そうかもうあれから5年か
8:00?アラーム?
ってやられた!また時間ずらされた!
急いで朝飯作らないと!
体を起こそうとするが何故か起き上がれない
不思議に思い眠い目をこすりあたりを見渡すと
布団がやけに盛り上がっていて
さらに長く黒い髪が布団から出ている事に気がついた
布団を勢いよくどかすと
「おに〜ちゃんそこはダメだって」
アラームの犯人、いや妹が
俺に抱きつくように寝ていた
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