4.昼食
心臓の鼓動がまるで耳元で鳴っているかのように聞こえる。その日が決まったのは突然のことだった。それは、今朝、登校してきて席に着いた時の話。
「おーい、優今日な」
「何が?」
突然の巧の言葉を俺は理解できなかった。
「櫻井さんとの昼飯」
「えっ、突然すぎだろ。心の準備が」
「大丈夫大丈夫、飯食ってお話しして、遊びに誘うだけだろ」
「そう簡単に言うなよ。それになんでこんなに早く」
「いや、一緒にご飯食べたいって女の子達に言ったら、じゃあ今日ねって言われたから。それに、遊びに誘うならゴールデンウィークはうってつけだろ、ゴールデンウィークまで時間もないし」
「そうだな、よし、やってやる。って意気込みたいけどサポートお願いします巧さん」
「任せたまえ、優くん」
そして俺は学食の席に着いていた。目の前には櫻井さんがいる。
なかなか話を切り出せない俺に巧がパスをくれた。
「ところでみんなはゴールデンウィークの予定どんな感じ?」
巧の問いかけに櫻井さんの友達である三上さんと真田さんが答える。
「まだ決まってないよ〜」
「私も〜。凛は?」
「私も特には」
俺は勇気を振り絞り、巧のパスを無駄にしないために一歩踏み出した。
「もしよければなんだけど、このメンバーで遊びにとか行かない?」
俺の心臓はバクバクだった。
「いいね〜、もちろん巧くんも行くでしょ」
「私も巧くんが行くなら行く〜」
三上さんと真田さんが乗ってきてくれた。
「もちろん、俺も参加するよ。櫻井さんは?」
「私は、その、、、」
俺は絶望した、この感じダメなのか、、、
俺は泣きたいのを必死にこらえていた。
「いいじゃん、凛ちゃん。行こうよ」
「そうそう、凛ちゃんの体にも負担かからない所にするか」
なんと、三上さんと真田さんがナイスアシスト。
「でも、それだとみんなが楽しめない、、、」
俺は無意識に言葉が出てきた、
「そんなことないよ、櫻井さんとならどこだって!!」
ふと我に帰った俺、、俺は何を言っているんだ、体温が上がるのを感じる、櫻井さんを見ることができない。
「なに?佐久間くん、いきなり告白?ほら凛もいいだっしぺの佐久間くんがいいって言ってるんだし行こうよ。巧くんもいいでしょ。」
告白の言葉には一瞬ドキッとしたが俺には真田さんが女神に見えた
「俺は全然いいよ、櫻井さんは?」
「それなら、私も行く。」
「それより櫻井さん体悪いの?」
巧が質問を投げかける。
「別に悪いわけじゃなくて。少し体が弱いだけで」
「そうなんだ、ってことで遊びのプランは優が考えるから。決まったら櫻井さんに大丈夫か確認とるってことで。じゃ、みんなで連絡先交換しようか」
「おっけ〜」「はーい、ほら凛も」
「うん」
なんと、遊びに誘えただけではなく巧様のスーパーファインプレーで連絡先までゲットしてしまった。
そのあとは、さっきの発言もあり櫻井さんを見ることができず昼休みを終えた。
そして、放課後。
「巧様〜、本当にありがとうございます」
「苦しゅうない苦しゅうない、それより今回は流れでみんなで遊びに行くことになったけど、ここで仲良くなって次は2人で遊びに行くんだぞ」
「ふ、ふ、、ふたり。考えただけで、、、」
「まあ、それは置いといてますば今回のプランしっかり考えろよ」
「一緒に考えてくれたりは〜」
「しません、このくらいは頑張れよ」
「はい、、それにしても、三上さんと真田さんもファインプレーだったよな〜」
「そうだ、2人にも言ってあるから」
「なにを?」
「優が櫻井さんを好きなこと。今度の遊び行った時もアシストしてくれるって」
「なるほど、、、」
俺は納得したのと同時に巧がどこまで計算して動いているのか少し怖くなった。巧がモテるのはルックスだけではなくこういうところもあるのか、、、
何はともあれ俺はルンルン気分で帰路に着いた。
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