キミが夜になるために
クラン
プロローグ ~コメディについて~
昔からコメディ映画が苦手だった。ブラウン管の中でおどけてみせる俳優の姿は、小さい頃からどうにもしっくりこなかったのだ。
はじめて観たコメディは「マスク」だった。
ジム・キャリー
今にして思うと、二重の仮面の下を想像して
喜怒哀楽のうち、「喜怒楽」が画面の中に大写しで展開され、「哀」はムービーの奥に閉じ込められて叫び声を上げているような、そんな感じがする。多くの人は「喜怒楽」を受け取ってあっけらかんと笑うのだろうが、特殊な電波を受信できる一部の人にだけその「哀」の絶叫が届いてしまう。オンオフのスイッチを想像してみると丁度良いかもしれない。片一方に傾けば、もう一方は作動しなくなる。逆もまた
これも子供の頃の話だが、家の廊下にある電燈のスイッチを丁度中間でキープできないか試したことがある。結果から言えば、スイッチは中間をキープできたのだが私は落胆を覚えたものだ。というのも、そのスイッチを中間でとめれば、電燈の
それらから得た教訓は、物事を額面通りにのみ受け取れる側と、
キミも
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