「君かって、なんですか」

マインちゃんがむくれて、そんな風に言う。

「はは、ごめんごめん。

それにしても、ミーちゃんに何頼んだんだい？

あの娘が逃（に）走（げま）中（わる）なんて、いつものことだけど、君に追われるなんて珍しい」

と、マイちゃんは訊く。

　マインちゃんは、キョロキョロとあたりを見渡して、ミーちゃんがいないことを確認すると、マイちゃんにボクには聞こえない声で、耳打ちした。

　そのボクには聞こえない答えを聞いたマイちゃんは、フフッと吹き出して

「なんだ、そんなことか」

と、返した。

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