第3話

「それにしても、手先器用だね」

「ふむ、昔とったなんちゃらだな」




 と、いきなりマイちゃんは、手芸に使う針のなかで、一番ふといのを、なにもない壁に投げた。




「あわわ、あぶない、あぶない」

と、新聞部のマインちゃんが、ニンジャみたいに壁に見せかけた布から、慌てて出てきた。

 針は、マインちゃんの右手の人差し指と中指の間に、しんけんしら取りのようにはさまれていた。




「まったく、君は相変わらずだな」

と、苦笑しながら言うマイちゃん。

 ボクはといえば

(なんで、達人同士の読み合いみたいのやってるの、この二人?)

と、あきれてしまっていた。




 そんな訳で、今日も平和です

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