月影フォレスト
キスイ
街外れの神社で…
夏の夕方頃、俺は、あてもなく木刀を振り回していた。
誰もいない、夕方と言うには暗い時間に、街外れの古びた神社の近くで、虚しく木刀の素振りをしていた。
「はぁ…」
ふとため息をつくと、森の少し中に入り気分転換をする、それが日課になっていた。
「少し疲れたし休むか…」
頭の中で呟き、薄暗い森の中で寝転ぶ。
虫の声と、森の木の葉が風で擦れ合う音が、心地いい。
眠くなってきたな。
手を付き立ち上がろうとしたが、力が出ずにそのまま眠りについていた。
「…あっ…!」
一気に覚醒し、目を覚ました時にはもう、昼過ぎになっていても、おかしくないぐらいの晴天になっていた。
「まずい!学校!」
勢いよく飛び上がり、すぐさま学校へ向かうべく走り出す。
俺は木村斗真、キムラトウマであり、高校三年生。学校はそれなりに真面目に行っている。
「あれ…確か神社はこっちの方向なんだけどなー…」
独り言を言っていると、違和感があった事に今更気付く。
「ここはどこなんだ?」
森の反対側に、巨大な石の絶壁があり、思わず驚く。
見惚れる程に高い。しかし違和感が離れない。
何せ100メートルはあるであろう絶壁など、この地域は愚か日本には存在しないはず…
と思った矢先、下に目線を下ろすと洞窟があり、中は暗く黒く塗り潰された様で、道が続いている事を物語っていた。
「何であんな所に洞窟が…って言うか何でこんな時間まで寝てたんだ?」
頭に浮かんだ疑問と、思い当たらない場所に困惑しながら、立ち尽くす。
「まぁ、もう学校は今から行っても間に合わないなぁ…」
やっぱり、入ってみようか…気になるし。
そして洞窟の中へと足を運んだ。
月影フォレスト キスイ @Cocoruru33
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