第8話 聞かなかった
明らかに避けられている私。
それが怖くて、いや、それがというより、この先を思うとどれもこれもが怖くなり、私は彼に忘れていた思いやりや優しさを持つようになっていて、浮気されていることの悲しさの中で自分の反省も感じていた。
これが、手遅れ、今更というものなのか。
よそよそしいような彼の振舞いが私に突き刺さる。
未だに、まさか浮気するなんて、こんな日がくるなんて…、その思いが絡み付く。
そのことは聞けないにしても、彼に聞いてみようか、迷っていた
「ねえ、私、最近あなたに避けてる気がするんだけど。淋しいんだよ」この気持ち。
でもそれは聞かなかった。
よそよそしさの中で、まだそれなりに会話もあって、取り繕ったものであってもまだ救われたから。
結果的に聞かずに済んで、良かったのだろう。
だって、ネットでも、重い女の典型にありそうな台詞だし、聞いたことがキッカケで何かが悪い方へ動き出してしまってたかもしれない。
今は私もこの気持ちは一旦落ち着いている。
彼もそんなにバカじゃないと信じたくて。
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