第4話 独特のショック


彼の言動は、浮気と言っていいものかはまだ分からない。

何が浮気か、世間でもその定義は意見が分かれる。


それでも、

恋の始まりのようなときめきに、彼が関心を抱き、そのひとと向かい合っている、そのこと自体が既にショックで、それを知ってしまった時、胸にずんと痛いものが深く刺さった。

この痛みというのは、独特のものだ。



冷静に思い返してみれば、強い香水の匂いをつけて帰ってくることがあったし、その香水は同じもので、髪が乾ききらずに帰ってきたことも度々あった。


私の目の前でメールを打つその目元は平常心を保とうとしながらも、メールの先にある恋に、うつむいた表情は少し緩んでいたのを隠しきれずにいた。



もうひとつ、冷静に思い返してみれば、私が昔追いかけた恋にも、この独特のショックと痛みを味わっていた。


私は浮気されやすい、あるいはさせやすいのだろうか。

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