第6話 先代部長
女先輩「……と、いうことで、男くんと人気のない場所で二人きりになることには成功したのですが」
先代部長『結局最後まで手を出されず、家まで送ってもらってそのまま解散したの? あんたソレ、もう全くの脈ナシなんじゃ……』
女先輩「いやいやいやいや! そんなことは断じて無いはず! ……ない…と、思い…たい、です……」
先代部長『あーもー。そんなうだうだ悩むくらいならパッパと告っちゃいなよ。それで駄目ならさぱっと諦めも付くでしょ』
女先輩「ええええええええー……。いや、でも折角こんな気の置けない仲になったんですから、その、この関係を壊したくないと言いますか何と言いますか…」
先代部長『乙女か! ……いやホント、あんたの口からそんな言葉を聞くとは思わなかったよ。電話なのが残念だよ、可能なら顔も見ておきたかった。よっぽどオットコマエな奴なんだろうねぇ、その後輩くんって子は』
女先輩「もー……チョーカッコいいです」ポッ
先代部長『格好いい』
女先輩「あと可愛いです」
先代部長『可愛い』
女先輩「頭の回転が鋭くて、会話の切り返しも早いです。本を読んでいる姿が彫刻みたいに静かで、でも感想を言うときの顔がすごくあったかい感じで……」
先代部長『ベタ褒めかよー。あーはいはい、ご馳走様ご馳走様。まーデートもできたんだし、少なくとも一歩前進でしょ。何かあったらまた相談に乗るから、いつでも掛けてきなさいな』
女先輩「ありがとうございます。すいません、お忙しい中」
先代部長『良いって良いって。作家なんて年中家に居るし、むしろ誰かと会話する機会ができて私も楽しかったくらいだよ。じゃ、元気でねー』
女先輩「はい、そちらもお元気で」ピッ
女先輩「ん〜」グイー
女先輩「(さて、執筆の続き頑張りますか…。ああでも、後輩くんに部室で原稿を渡すのは嫌だな…アレの目が無いところか…うーん)」
女先輩「(どーすっかなー)」ニコニコ
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