第15話 禁忌の夢
一週間立っても目処は立たない。だが人を作る事にはほぼ成功した。
妖力を抑え高い魔術元素を持った人間らしきもの。
しかし魂の定着が巧く行かない。殺めた魔術師の声色を使い、
知人らしき人物に連絡を取り探りを入れた。
だが誰も彼もその方式は第二次の終わりに禁止されている、
もしやっているなら止めた方が良いと言う。
楓は途方に暮れが、間違いなく前進したし後もう何回かすれば
成功するに決まっている。そう信じた。
楓は一週間振りに登校する。それは製作の為の魂と体が足りなくなり、
材料の吟味をする為である。丁度康禄も一週間振りに登校して来たらしい。
康禄には事情聴取が言ったが楓には来なかった。
其処は抜かりが無い。女の子の事情だと担任に話すと気持ち悪い目で見られ、
女の子の日だから仕方ないなと言われた。何とも下品な男だと楓は思った。
それに比べると田島兄弟は何処か同い年の男子より大人びて見えた。
早く彼の為に自分の欠点を直し、彼の為の完璧な体を用意しなければと
意気込んだ。そして夜に紛れて得物を狩る為歩くと死神に遭う。
死神と言う言葉だけは知っていたが、見たのは初めてだ。
その雰囲気は正に死が其処に在るようで恐怖する。
そして自分はこのままだと死ぬと言う。それは康禄の死に繋がる、
そう楓は考え拒絶した。彼を変え自分も変え二人で新しいセカイへ旅立つのだ。
追っ手が来るなら全力で潰す。そして人体練成の足しにしよう。
楓はその日は怖くて工房へ逃げる様に戻り、布団に丸まって夜を過ごした。
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