薄桜鬼広場
萱草真詩雫
沖田総司×土方歳三
ー屯所内ー
「総司、入るぞ」
沖田の部屋の襖をスーッと開け、土方が入ってきた。
「土方さん、どうしたんですか?」
敷かれた布団の上、沖田が上半身を起こし尋ねる。
「いや、具合はどうかと思ってな…」
「ふっ、土方さんは大袈裟なんだから」
様子を見に来た土方に沖田は笑って言う。
「お前、起きてて平気か?」
「だいじょう…ケホッ、ゲホッ!」
心配そうに聞く土方。
沖田が大丈夫、と言いかけた時急に咳き込み出した。
慌てて身体を支えようとすると。
「総司ッ!……ッ!?」
ーグイッー
沖田が土方の腕を引き唇にキスをしたのだ。
「なーんてね」
「おまっ!!」
「土方さん、僕の事好きでしょ」
「冗談じゃ…」
バッと咄嗟に離れる土方にクスリと笑んで、病人とは思えない力の強さで土方を押し倒す。
「そうだなぁ、僕の事好きって言ってくれたら退いてあげる」
「な…っ!?」
至近距離で顔を近付け唇が触れるか触れないかの瀬戸際で沖田はこう囁いた。
「好き、じゃ…ねえっ!」
「ふぅん?ま、僕は無理矢理でも良いけど?」
「総司っ…!」
「ハイハイ、小言は後でちゃんと聞きますから。大人しく、ね?」
そう言って土方の唇を再び塞ぎ、組み敷く沖田であった。
…後に、暫くズキズキと響く様な腰の痛みに土方が悩まされたのは内緒の話。
ー終わりー
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