ドSゲーマーと踊り姫
ニスタケ
第1話 ドSゲーマー
荒れ果てた村の中、一人彷徨うゲイル。身長185センチを超え、服がはち切れそうなほどの筋肉をもち美形なイタリア人。
その手には、拳銃を一丁持っている。手持ちはグレネード2個と食料、弾もそんなに残ってない。そんなことを考えながらも村の中を静かに進んでいく。すでに30分以上村の中を進んでいるが、武器も食料も何もなかった。
「次はこの家の中に入ってみるか。」
ギギギと嫌な音を立てる扉を開けて中をこっそりのぞいてみると、
「ふぅ、誰もいなさそうだな。」
家の中も荒らされていて、家具も食器も壊れていて、ところどころに血も飛び散っている。まずはパッと一階を見回る。
「二階もあるな…。行ってみるか。」
ギシギシと音が鳴る階段を上がっていくと部屋は二部屋。
一部屋目を覗いていると
「やばっ!アサルトじゃん!」
そう、そこには一丁のアサルトライフルがあった。
「よし、この調子で次の部屋にも何かあってくれー。」
そう言って、もう一部屋の方へ向かい扉を開けてみるとそこには、
「グワアァアァアアァアァア」
ゾンビがいた。
「げ、やば!」
と言いつつも冷静に拳銃を使い頭に弾を撃ちこむ。
「なわけないだろ。こんなクソゾンビに殺されるかよ。しかも一体とか、なめてんのかよ。」
サクッとゾンビを倒して部屋の中を漁ってみても特にこれといったものはない。
「ちっ、この部屋ははずれか。」
一階へ戻り、今度は丁寧に物色していくと、食料も見つけた。
「よし、アサルトも食料も取れたし、時間もちょうどいいから今日はこの辺で。そんじゃ、また明日!」
カチカチとマウスを操作する音がしばらく続いた後、
「ふぅ、疲れた。」
そういって椅子の背もたれにもたれかかりぐでっとする少年。そうして時計を見るとすでに0時をまわっている。
「やばっ、もう寝ないと。明日も学校とかだりぃー。」
そういって、ササっと歯を磨きベットに入る。
そして、スマホでニヤニヤ動画を見てみると、急上昇ランキングに載ってる<踊ってみた>動画にすごい量のコメントがついている。気になって見てみると、
「こいつのダンス、キレッキレだな。」
そうもらしてしまうほどキレキレなダンスだった。
コメントでも、
[キレキレwww]
[ダンスやばっ]
だったりが書き込まれている。
しかし一番多い書き込みは、
[アキナちゃんかわいい!]
[天使(*´ω`)]
等といった書き込みだった。
マスクで口元を隠しているが、目はぱっちり二重で顔は小さく、確かにかわいい。
「美形だといいよな。それだけで視聴数伸びるんだから…」
そんな恨み言をいいつつもその動画をお気に入りにする。
「はぁ、明日は何の動画を出そうかな…」
そんなことを考えているうちにいつの間にか寝落ちしていた。
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