　姉と弟は似ている。

　ただ、汚れるから食べないという姉に対し、弟は面倒だから食べない。考え方は違えど剥いたら食べる二人の為に動くのは今や母か私である。

　そんな弟が中学生の頃、カップ焼きそばを作ろうとした。

　ご存知の方も多いだろうが作り方は簡単である。

①お湯を入れて数分待つ

②穴からお湯を捨てる

③ソースをかけて絡ませる

　以上の行程で完成する説明文はちゃんと器に書かれている。しかし、初めて作るにもかかわらず弟は読まずに作った。結果失敗した。

　まさかのカップラーメンの手順で作っていたのだ。つまり……

①ソースを入れる

②お湯を入れて数分待つ

③お湯を捨てる

　完成したものを果たして焼きそばといっていいのか不明であるが、麺の味が生かされ過ぎていたのは言うまでもないだろう。

　勿論、作った本人が完食するはずもなく全て私のお腹に収まった。

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