恵&倫也vs詩羽&英梨々始まる? side恵&倫也&more 2

俺と恵が京橋駅に着いてすぐに、恵はトイレへと向かった。それはいいのだが、


「…恵、遅いな」


なんてちょっとデリカシーに欠けるかもしれないことを考えていた。そう、いつまで経っても戻ってこないのだ。その頃、恵が何をしていたかなど、俺は知る由もなかった……


その頃、恵は、降りたときにはっきり見えた出海の後を追い、トイレに入って声をかけていたところだった。


「恵先輩、いつから気づいてたんですか?」


「う〜ん、昨日の氷堂さんのライブの時には一応気づいてたかな。まあ、別に私たちの後をつけてるわけじゃないみたいだから気にしてなかったけど、今日も電車から降りるときに見えたから、もしかしてと思っ「違うんです!!これはただ、お兄ちゃんに遊園地でも見てこいとか言われたからこっちにいただけなんです!!」て………」


「うーん、私はただ、もしかして行き先が一緒なんじゃないかな?って思っただけなんだけど…」


「あっ、そうだったんですね」


「でも、出海ちゃんも大変だね。あのプロデューサーとかいう人にこき使われて」


「そうなんです!!………というか、恵さんそこまでうちのお兄ちゃんの事嫌いなんですね…」


「……まあそこは置いておいて、遊園地っていうことはUSJに行くってことだよね?」


「そうですけど…」


「それなら一緒に行く?私はそれで構わないし、倫也君もいいって言ってくれると思うけど」


「でも、私がいたらお邪魔じゃないですか?」


「何が?」


「だって恵さんと倫也さんって2人で旅行してるんですよね?それなのに私が一緒に行ってしまったら2人きりの時間が減っちゃうんじゃ」


「あ〜、それは大丈夫だよ。まだ後2日あるしね。それよりもむしろ私達が、出海ちゃんに迷惑をかけちゃうかもしれないんだけどね」


「何かあったんですか?」


「多分、ほぼ確実にUSJで詩羽先輩と英梨々に会うことになると思うから」


「そうなんですか?」


「うん、さっき電車から降りるときに向かいの電車に乗ってる詩羽先輩と目が合っちゃったから」


「そうなんですね…でも私は大丈夫です!!」


「そっか。それじゃ倫也君のところに戻ろうか」


「そうですね」




恵がトイレに向かってかなりの時間が経って、ようやく恵が戻ってきたのはいいのだが、予想外の光景を見てしまった。


「出海ちゃん!?どうしてこんなところに!?」


「倫也先輩、実は……」


「なるほど、っていうか気づいてたんなら一言言ってよ恵」


「いや〜、まさかここまで一緒の行動すると思ってなかったから」


それは確かにその通りだと思ったので、これ以上なにか言うことはしなかった。でもそれ以上に気になったことがあった。


「それよりも恵」


「なに?」


「今、詩羽先輩の名前出てこなかった?」


「うん、出てきたよ?」


「その後なんて言った?」


「詩羽先輩と目が合ったから多分USJに来ると思うよ?っていう話の事?」


「そう。それってマジですか」


「うん、もしあそこで目が合ったのが英梨々だったらそこまで深く考えないだろうし、来ないと思うけど、詩羽先輩は想像力も勘も鋭いから来るんじゃない?」


「そうか〜。じゃあ会うのは確定的だな」


「そうだね。でも、まだこっちに来るまでには時間があるし、早く行って楽しめるだけ楽しもう?」


「そうだな。ごめんね出海ちゃん、伊織に見てくるよう言われてたはずなのにこんなこになって」


「いえいえ、倫也先輩と恵先輩と一緒に回れるだけで色々アイデアも浮かびますし、大丈夫です!!!」


そう言ってはにかむ出海ちゃんとまた少し存在感が消えかかってきた恵との3人に増えながら、俺達は環状線に乗り換え……


「…倫也くんまた脳内で私のことdisったでしょ?」


「な、なんでわかったんだ!?」


「そこは否定してほしかったんだけどな〜」


「さすが恵先輩!!倫也先輩のこと何でもわかるんですね!!」


「そういうわけではないけど、倫也くん顔に出てるから」


「え、そんなに?」


「まあ直るとは思ってないからいいけど」


「これで倫也先輩は恵先輩に隠し事とかできなくなりましたね!!」


せっかく次話に進もうとまとめていたら、恵にツッコまれたのでグダグダになってしまったけど、俺達は環状線に乗り換えてUSJに向かった。

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