本当にひとり

街中の歩道にちょっと座ってみる


歩道を行き交う人、人、人

その先に見える車道に車、車、車

街中の雑多な音、音、音


私は、ここいる

けれど誰も気付かない

けれど誰にも見えない

私は、存在しない


私がいない世界を生きている人々

見えない壁が目の前にある

だから、辛くない

だから、何も感じない


目の前で小さな男の子が転んだ

泣かないけれど、手を指し伸べた

男の子のお母さんにお礼を言われた


あれ?

私は、今、存在した

ぼっちだけど、


見えない壁は無くなった

だから、辛くなる

だから、何かを感じるようになる


その時から

本当にひとり


ひとりの人となる




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