第28話:本家
本家は、スゴい城を思わせるような豪邸だった。
さすがに、平家の隠し財宝があると噂されるだけの事はあった。
「う、スッゲ~な。これじゃ、城塞だ・・・・」山師。
「本気で、やんごとなきお方のお住まいだぜ。」源内。
「フ・・・」皆、何とも言えない笑いを浮かべた。
「どうぞ・・・」お蝶が中へ招(まね)いた。
屋敷の門が開かれると、何頭もの猛犬が走ってきて、ワンワン吠えた。
「うっわ~」山師は逃げ腰で、「何だこいつら・・・」
オレたちは、屋敷に入ってすぐ、猛犬に囲まれた。
明日真は、源内とお篠、山師を守り、オレはお蝶が守るようだ。
「ウッウーーー」と猛犬は唸りをあげた。
お蝶は、待てと掌(てのひら)を広げ、手前に出すと、意外にも犬たちは素直に従った。
「ひえええ、怖ぁ~。」
「大丈夫ですよ。この犬は、あたしがいる限り襲ってきませんから・・・」
そりゃぁ、お蝶さんがいれば、でしょ・・・・・
「いる限りって・・・いなかったら、どうなるの・・・」山師。
「そうですね。この犬たちは、敵を撃退する訓練を受けてますから・・・」
「おいおい、冗談だろ。じゃ、全員、揃って食い殺されろって事か~。」山師。
「その可能性もあります。」おいおい、本気か・・・・
「はぁ・・」犬たちに手を振り、オレたちは屋敷の中へ、
「じゃ、無闇に外から中へ出たり入ったり、出来ないということか・・・」
オレはお蝶に聞いた。
「ええ・・・もし自由に出入(ではい)りしたいなら、私か、本家の人と一緒じゃないと無理ですね。」
「ハハ、確かにね・・・」唸る猛犬を見て、肩をすくめた。
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