悪魔も生き物、ですよ?ⅲ
それから父は小さな僕にもお母様にも
牙を向く様になる
家という檻の中で父親は暴言を垂れ流しながら暴力という武器でお母様を泣かす
それを見て僕もなく
泣くと父親は自分の煙草取り出しわざと火をつけ僕の腕や脚、お腹にそれを押し付ける
煙草だけに限らずスプーンや金属類等を炙ったりもした
痛すぎて声が出ない、熱い、怖い
早く時間が過ぎて欲しいことだけを願う
僕に悪魔の手がのびたら
お母様は傷を負った身体を奮い立たせ父親に突進して父親を突き飛ばす
声が出ず目から涙を流す僕を撫でながら“ごめんね”と謝り続ける。
父親はいつもこう暴れてるわけでなく
アルコールがきれると悪魔になる
そしてひと暴れしたら我に戻りお母様と僕を片腕で包み込み謝罪する
ーーこの人は温かいのにとても冷たいーー
昼間のほとんどを寝てる父親に毛布などを掛けて
僕とお母様は出かける
そう、友人の元へ相談していたのだ
お母様との学生時代の友人カインさん
昔の父親の事も知っており今の父親の変わり果てた姿もしってる
優しく人思いで学生の頃から周りの人に信頼されてたカインさんの印象はお日様のように滲み出ていた
そんなカインさんに会うたびに
僕の火傷跡はヒリヒリと蠢くような感覚を覚える
まるで“悪魔”が起きるかのように
そして、その頃
檻の中の悪魔が動き出していた
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