第113話 翻訳機が出た!

☆最新のニュースで……

 11月に入ったばかりの頃、

音声認識の翻訳機が販売された、

というニュースがありました。

 PCのコルテナよりスマホの音声認識グーグル検索を使ってるわたしとしては

 翻訳機って便利だろうけど、それだけかなと。


☆英語を学ばなくていい?

 翻訳機が出たんだから、英語を学ばなくていい、というひともいます。

 電卓が出たとき、「九九はいらん」 といったひとがいたのを 思い出しました。

 小学生の基礎科目として、いまだに九九はあるはずですが、

 英語は、ひょっとすると、小学校の必須科目でなくなるかも。

 中学の時に、「文化を学ぶ」 という観点から、

 勉強する、という手もありますな。

 英語には、独自の文法がありますし。


☆死んでも死なない? 時制の謎

 日本語が 主語を隠す傾向があるのに、

 英語では 主語がきっちり 表現されるのは有名です。

 しかし、意外と知られてないのは、Have been の時制。

 みなさんは、これをどう訳されますか?

 He has been dead for two years.

彼は2年間ずっと死んでいる。

 みょうですね。

 つまりこれは、こういうことです。

 西洋人の多くは聖書の教えに従って生きています。

 聖書によると、魂と体は別物であり、この世の終わりにすべてのひとはよみがえる、

 なので、いまは彼は死んでない、眠っているだけ……

 そういう宗教観が、この時制のなかに隠されています。

 こういうことは、音声認識翻訳機では、学べないですよね。

(英検3級でもこの程度の教養は持っているんだよ、

 いちおう中学英語教職員免許持ってるんだから!)


☆杞憂

 日常会話のなかにさえ、宗教がにじみ出る英米人は、

 「ヤバイ」 を連発する日本人にとっても 異質そのものです。

 機械が介入することで、より深い相互理解が阻害され、

 文化衝突が起こらないかと いまから心配です。

 英語は使うより、お互いに学びあうという教育を受けてきましたので、

 なおさらそう思うのでしょう。

 杞憂だといいけど。

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