お遍路の女性像

平成元年ママ

第1話

こんどの派遣会社は、先日2ヶ月弱働いた東京の埋め立て地から、

大学生街の町外れの一角にある、公共事業団。

埋め立て地も此処も同じ派遣会社。

一派遣社員は、機械の部品みたいだ。

此処はまさか、派遣会社が3つも変わって、

同じ処で1年以上働くとは、

このときには知るよしもない。

3つのグループに別けられ、

Aグループは、けっこうテンキーの早い人が揃い、

Bグループは、年配が多いがキャリアのある人がいた。

Cグループは、ユウカンマダム?がいる感じのグループ。

埋め立て地とは同じ団体の違う部署。

埋め立て地は集約所。

こちらは、端末入力する施設。

その入力したら書類チェックも仕事。


Bグループには、もと作家さんがいた。

わたくしはたまたま、その作家さんの隣にすわり、

作家さんが描いてきた裏話し聴いた。

わたくしは、作家ではないが、ボランテイアで

旅行冊子や宗教団体の取材をしていたため、

気があったとは可笑しいけれど、

10歳以上の歳上の方であったが、

歳上を感じないものがあった。


瀬戸川先生という有名な作家が

仏門に入って、お寺の住職しながら、

本を描いている先生がいるが、

その女性も、

仏門こそ入らないが、

観音霊場から四国のお遍路をして、

本を出版されていた。

本は瀬戸川先生ほど売れていないが、

お風呂屋さんのペンキ絵もお描きになる、

その世界では有名どころらしい。

女性のペンキ絵絵師は団塊世代で

昭和22年。

都庁のおしごとも為さったらしい。

アメリカなど欧米にもいって、

飛行場でペンキ絵を描いてきたとのこと。

現在は小さい雑誌にエッセイ書きながら

派遣会社で派遣社員もやっているというから、

驚きである。

アメリカでは、汚いイタズラがきのトイレを

綺麗なペンキ絵で飾って、

『トイレの華子』さんという、ネーミングされ、

それはチャーミングな女性。

ホームページもシステムエンジニアの兄弟に作って貰ったといって、

アドレスきいて拝見させて戴く。


東京都内には、

江戸時代に、四国のシステムを移した88箇所のお寺があり、

いまもおだんかさんや四国霊場みたいに、

東京でも、『御朱印』をやっている。

それで、

この作家さんが故意にされている、

お寺が青山にあるというので、

派遣先おわり行くことになった。


其所には仏像が数多くあり、

弘法大師の像もあった。

その奥に、四国のお遍路をやったという、偉い作家さんの

お遍路姿の巨像があって、

見上げると一緒にきた、『トイレの華子』さんが笑う。

隣にいた作家の女性と

お遍路姿の巨像がかぶり、

そのまま、一致した。

わたくしは『エッ』と驚き、

巨像が喋った気がして、

また一緒にきた、作家さんをみたら、

隣にいると思っていた作家さんがいない。

其所には仏像の隣に巨像のお遍路姿の作家さんがいた。


わたくし、一人歩き駅前にいって

高速道路の処の地下鉄から家に帰ったのだが、

なんか変な気がする。

次の日、文京区にある事務所いくと、

昨日あった、作家さんが来てなくて、

また新しい派遣社員がいた。

まわりの派遣社員に聴いたら、

『トイレの華子』さんなんて何処にも居ないよと、

派遣先のトイレで

別の派遣社員さんの女性から聴いた。








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