ある絵画は生きている。
なきゃ
第1話
『花と話す華』
確か僕の名前はそうだった気がする。
僕を産んでくれた悠(ゆう)さんは、僕のことを 華依(かい) と呼んでいた。
「華依くん、華依くん…花に囲まれて綺麗な男の子」
僕にそう言って、僕の周りに花を咲かせてくれた。
寂しさなんて無くなった。
色とりどりの花にはどこか統一感があって
ふわりと透き通っていく何かが僕にその花の香りを知らせてくれる。
「…きっとこれは、風なんだね」
主のいない今は、知らない事を聞いたことのあるものに当てはめていくだけ。
もっと他のことを知りたい、ここも楽しいけど別の場所に行きたい。
そんな願いは叶いそうにもないけれど。
今日も大樹に背を預け、花に語りかける。
「悠さんはどこに行ってしまったのかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます