ある絵画は生きている。

なきゃ

第1話

『花と話す華』




確か僕の名前はそうだった気がする。


僕を産んでくれた悠(ゆう)さんは、僕のことを 華依(かい) と呼んでいた。



「華依くん、華依くん…花に囲まれて綺麗な男の子」



僕にそう言って、僕の周りに花を咲かせてくれた。

寂しさなんて無くなった。




色とりどりの花にはどこか統一感があって

ふわりと透き通っていく何かが僕にその花の香りを知らせてくれる。



「…きっとこれは、風なんだね」



主のいない今は、知らない事を聞いたことのあるものに当てはめていくだけ。


もっと他のことを知りたい、ここも楽しいけど別の場所に行きたい。


そんな願いは叶いそうにもないけれど。









今日も大樹に背を預け、花に語りかける。




「悠さんはどこに行ってしまったのかな」

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