「唇の距離」

煩先生

 

睫毛の光沢を

君は放棄して

悪い風が詠む

色眼鏡に肯く


淋しい香水は

誰にも届かず

口癖が溢れて

忘却を演じる


慈愛の足枷を

僕は厭忌して

古い夢が弾く

蜃気楼に佇む


哀しい天性は

何にも望まず

憂欝が穢れて

終焉を嘆じる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「唇の距離」 煩先生 @wazurai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ