「アジア諸国のプライドパレードと日本を比べて」
東京レインボープライド2018が先週行われた。もちろん取材で丸二日参加したのだが、やはり去年にましてかなり人が多かったように感じた。プライドパレードは沿道で写真撮影をしていたのだが、メッセージが書かれたボードを持って様々な人がプライドを持って歩いている様子を見ていると、なんだか泣けてきた。
さて、前置きはそのくらいにしておいて、表題の件を忘れないように記しておこうと思う。
去年はじめて東京のプライドパレードに参加し(と言っても沿道でプレスのダサい発光イエローのビブスを着て写真を撮っていたのだが)、それなりに感動した。そのあと、7月に韓国、10月に台湾のプライドパレードにもそれぞれ参加し(台湾に関してはこちらに綴るのをすっかり忘れていたような気がする)、それを経てもう一度東京のプライドパレードに参加すると、いくつかの違いが見えてきた。
まず、一つ目にパレードを歩く人がかなり少ないこと。たったの7000人だ。徐々に増えているのは事実であるが、韓国や台湾の規模感に比べたらまだまだ少ない。台湾は、2017年で12万人が多様性を訴えかけ、祝い、団結するために行進したのだ。台湾の人口は、たったの2355万人である。日本の関心の低さが露呈しているのではないか。また、日本のプライドパレードはぶちぶちと切れてしまうのがどうしてもきになるし、盛り上がりに欠ける要因でもあると思う。というのも、信号が変わると前へ進めなくなるのだ。なんだそりゃ、と思うかもしれないが、一つ一つのフロートの間がかなり空いてしまい、沿道で見ている人はなんじゃこれ?状態になるのは無理もない。台湾や韓国のように、全ての道を封鎖して欲しいものである。
二つ目に、しかしながら代々木公園のフェスタはとても盛り上がっていた。台湾はほとんどブースはなく、韓国もあったが日本のように盛り上がっている印象は受けなかった。東京レインボープライド では、企業ブースは大型で100万・小型で20万というかなり高額な値段だったが、代々木公園に所狭しと並んでいた。名だたる国内・国外企業が軒を連ねる。もちろん、販促のために行っているブースもあるのは事実だが、政府を動かすよりも企業を動かすことの方が簡単な日本社会において、より居心地の良い社会を少しでも実現するためには企業の力が不可欠であると考えている。参加者もプライドパレードよりもフェスタの方が多いことから、やはりブースが参加者にとって大きな関心を集めているのだろう。それでいいのか、という考えもあるとは思うが……。
三つ目に、アンチが全然いないこと。韓国ではひどかった。台湾はあまり見かけなかった。しかし、日本は全くと言っていいほどいなかった。見かけた人がいたらぜひ教えて欲しい。無関心さが大きくここに現れているのではないか。
こんな風に書いてはいるが、パレードを歩く人々は生き生きと輝いており、とても楽しそうだった。人種、国籍も多様に揃い、障がいがある人も、ない人も、おじいさんも、子どもも、様々な人が参加していたところもよかった。
願わくば、来年はもっと多くの人にプライドパレードに参加して欲しい。
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