平均的な彼女

春田康吏

第1話

「お前の彼女って、ロボットみたいな平均的な顔だな」

僕の友達は、そんな失礼なことを言った。

僕は、美人と思って付き合っていたので少し気に障ったが、

平均という言葉は、的を射ていると思った。

彼女の学生時代のテストはいつも平均点だったらしいし、

成績もオール3以外取ったことないそうだ。

そう言えば、彼女のファッションも地味過ぎず、派手過ぎず、

家庭環境も父親がサラリーマンで、母親は専業主婦、妹が一人、ごく普通の家庭だ。

好きな芸能人だって、好きなスポーツチームだって、人気不人気が中間くらいだ。

彼女の周りは、すべて平均的だ。

待てよ、ということはそんな平均的な彼女が選んだ男の僕も、例外なく平均的ということか。

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平均的な彼女 春田康吏 @8luta

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