第37話 1/22
2018年1月22日、大量の雪が降っている。その男は何処からともなくやって来て雪を降らせた。「あぁ。冬の寒い時期なのに人々は仕事に忙しい。師走なんて終わったのにその延長で走り回っているじゃねぇか。1日くらい休ませてやろうじゃねぇか。ふん!」
男は天空から雪を降らせた。そう、彼こそが冬将軍である。
彼が街を歩いて人々の様子を窺うと、人々は皆、イラついていた。電車の遅延等に。
「何故イラついておるのじゃ。俺はオメェ達に休みをプレゼントしてやったのによ!」彼が怒り始めると手をつけられない。弱かった雪は強まり始める。
「いらっしゃいませ。」しばらくしてここはカレー屋である。インドカレーのお店である。カレーの日であり、この寒い中だからカレーが売れているのだ。
小麦粉のとろみがなく辛いカレーに、あのギーの塗られたナンが物凄く合うのだ。半球状の容器は二つに分かれており、片方にはマトンカレー、もう片方にはサグチキンカレーが入っている。サグとはほうれん草のことである。店内のジャズを聴きながら冬将軍はそのカレーを食べていた。
「寒い日はカレーに限るなぁ。」ナンのお替り無料を使い三枚のナンを平らげるとインド人のシェフに言われた「お客さん、全部食べ終わったらこの二つの皿をくっ付けて下さいネ。」と。どうしたのかと思いながらくっ付けるとそこには飛行船が現れた。
男は満足すると普通の人間に戻った。冬将軍に憑依されていたのである。
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