ボクと彼女の秘密の……

プロローグ

第1話

　百合ヶ丘高校生徒会長、牧野真梨。彼女がボクの憧れる、大っっっ好きな先輩。

　初めて先輩の姿を見たのは入学式の時。その時先輩は壇上で話をしてたんだけど、ボクは先輩の魅力に惹かれて聞いていられなかった。

　だって、先輩ったら本っ当にすっごく綺麗で、格好良くて、笑った表情も優しくて……。もう、完全な一目惚れ！しかも、今までの恋なんて先輩への気持ちに比べたら全然大したことない！そう思っちゃうくらいに。

　このことを中学時代からの友達に話したら、

「はぁ、恋だなんてそんなの何かの間違いでしょ？一目惚れとかあり得ないし」

　って冷たく返されちゃったけど……。

　でも、ボクはこの恋は絶対に本物！そう思う。だから、ボクは先輩について色々と調べてみた。

　そしたら、何と！すっっごいことが分かっちゃった！

　まず、先輩が二年だってこと。それで、生徒会長を二年がやるのは先輩が初めてだって！

　ボクも生徒会長だから三年かなぁって思ってたし。でも、後二年も先輩と一緒の学校に通えると思うと……すっごい嬉しいよ！

　それから、文武両道、っていうのかな？勉強もできてスポーツもできるらしい！

　まず、勉強なんだけど、学年でトップ！しかも、一年間ずっとらしい！

　こんなこと普通できないよね？ボクなんてこの学校に入れるかどうかさえ微妙だったのに……。

　学校がレベル高いんじゃなくて、ボクの成績が……。って、今はボクの話じゃなくて、先輩の話！

　そう、それで、スポーツの話。陸上部に入ってるらしいんだけど、去年は県でベスト４まで行っちゃったんだって！

　すごいよねぇ。うちの高校って、部活に全然力を入れてないらしいのに。それなのに、そんな成績なんだよ！しかも、その時はまだ一年だったんだよ！

　本当、ますます先輩のことが好きになっちゃった。

　しかも、それだけじゃないんだよ？性格もすっごいいいらしい！

　何か、みんなに優しくて、でも八方美人とかそんな感じでもないらしいし。さらにさらに、責任感もあって、マジメで…。他にも色々あったけど、忘れちゃった…。

　とにかく！先輩はすっごくいい人だって事！

　何か、『欠点のないのが欠点』とか、『百合ヶ丘高校の至宝』とか、『完璧な理想の美少女』とか言われてるくらいらしいし。

　それに比べて、ボクは欠点が多すぎるよ……。チビだし、童顔だし、頭もよくないし、スポーツもダメだし…性格だって、そんなよくもないし……。（だからって悪いってわけじゃないよ！たぶん……）

　こんなボクが先輩のことを「好き」だなんて言ったらやっぱり笑われちゃうのかな……？

　あっ！でも、先輩に今は彼氏はいないらしい！先輩に聞いたわけじゃないけど（そんなの緊張して絶対に無理だし）そんな噂があったから絶対だよ！

　でも、ライバルはすっごい多いんだよぅ……。普段から告白とかすっごいされてるらしいし……。でもでも、彼氏がいないって事は全部断ってるって事だよね？

　じゃぁ、やっぱり、ボクにも可能性が少しは、本当に少しくらいはあるよね？信じるのは自由なんだし、ボクにもきっとチャンスはあるって信じるよ！

　まずは、先輩に見合う人間にならなきゃ！……ってかなり難しすぎるよぅ……。でも、少しずつでも先輩に近付けるように努力しよう！これなら、うん、大丈夫！

　でも、今日はもう夜遅いし、また明日からで……。ほ、ほら、そ、その、寝坊して遅刻したらいけないし、ね……。