第4話 奴隷冒険者、拗ねる?
これまでの経緯を話し終え、私はエールを煽り食事を口へ運んで行く。
日も暮れ酒場は来た時よりも一層賑わいを見せており、
しかし、このテーブルだけはお通夜の様に全員が黙り込み、私が食事する音だけが響いていた。
「何黙ってんねんッ!」
「ッ!」
「痛てッ!」
「……」
「えッ? 僕も!?」
私は立ち上がり全員の頭を叩いて回った。
「全員でエール飲めてんねんから、それでええやろッ!」
私がそう述べると、全員は笑顔を取り戻しテーブルは再び賑わいを見せた。
***
「そう言えば、姐さんは
「やる事ないから、暇潰しに小遣い稼ぎ」
私がジョゼにそう説明すると、シャルジュが頬を膨らませて文句を言って来た。
「先輩であるジョゼさんからも言って下さいよー。依頼が無いからってカオルは一日中ギルドで飲みながら腕相撲してるんだよ!?」
シャルジュの説明に子分どもは「相変わらずですね」と溜息を吐いていた。
「シャルジュ様、俺の事はジョゼでいいよ」
「そ、それじゃあ、僕もシャルジュでいいですよ。ジョゼ」
「何か、
2人の遣り取りに私が横槍を入れると、何故か大バッシングを受けた。
一通り私への非難を終えると、彼らは再び話を戻した。
「確かに、今は低ランクの依頼が少ないからな……あ、今日俺が受けた依頼一緒に行きますか?」
「え? いいんですか? パーティとかの都合もあるんじゃ……」
「Fランクの依頼で調査依頼なんだが、1人で行こうと思ってたんだよ。隣町で
ジョゼの提案にシャルジュは顔を輝かせて私を見つめていた。
「ええんちゃう。せっかく
私が不貞腐れながら答えると、シャルジュは嬉しそうに私に抱きついてきた。
突然の事に私は少々驚いたが、その光景に子分どもはもっと驚いていた。
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【登場人物紹介(最新)】
【ダラム】
アサヒナ傭兵団団長 男 19歳
カオルの子分として燻っていた連中をまとめ、傭兵団を立ち上げた若き大将。
少数ながらも義理人情を大事にする気風の傭兵団は、バーウィッチ内外でも評判は上々らしい。
【ヤヌック】
駆け出しの商人 男 15歳
ティアーノ商会の一人息子。
駆け出しながらも大商人をも唸らせる、機転と手腕で業界内で一躍有名人となった商人。
現在は、父親の右腕として日々勉学に励んでいる。
【ジョゼ】
Fランク冒険者 男 22歳
パーティーは組まず、ソロ冒険者として僅か2ヶ月でFランクに昇格した期待の新星。
自身の情報収集や危機管理能力を活かし、更に強くなる為に傭兵から冒険者になった。
今回の調査依頼も優先的にジョゼに回って来た
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