ディケドンと虹のマント

牧野 ヒデミ

第1話 グレープタウン




フレンチホルンの長針ちょうしんが、午後ごご2らす。


太陽たいように、ディケドンはリズムく。




♪ポロン コロン ポコロン ホロン♬



ってるね」


ってるよ」


をくべなくちゃ」


「シロップ出来できた?」


「カシスをおくれ」




ここは葡萄ぶどうもりなか



巨峰きょほうアパートグレープタウン



葡萄畑ぶどうばたけ時計とけいがかり



町一番まちいちばん大男おおおとこ



3のホルンをらすと蜂蜜はちみつキャンディをひとかじり。



あそんでおくれと蜜蜂みつばちが、ディケドンのあしをチクリとひとし。



右足みぎあしげてひだりをチクリ。




グレープタウンの住人じゅうにんは「ディケドンがおどっているよ」と一休ひとやすみ。




もりなかではつるなかねてバッタの郵便屋ゆうびんや一房ひとふさのグレープタウンをさがしていました。



葡萄ぶどうもり大木たいぼくせいからのこの手紙てがみとどけるためグレープタウンにきたいのですが……

…こんなに葡萄ぶどうがいっぱいじゃどれがまちなのかわかりゃしないよ!」





こまっているとんだやわらかなメロディが…。




するとひげながとんがりブーツをいた15センチほどおとこうたうたいミントのふくろめていました。




みちたずねたいんだが…

おや?きみくつじゃぼくみたいにねること出来できないな」


「じゃあバッタくん

きみは、ぼくのようにうたこと出来できるのかい?」


ふふふ、あはは。


2ふたりわらいました。




はじめまして。

ぼくはカロットマー。郵便屋ゆうびんやさ」


「ぼくはソリット。

ミントのりにとなりのラドットむらからこのもりたのさ」


「ミントのがそんなに必要ひつようなの?」


うたうたため

ミントシロップをつくるんだ。

ぼくのおかあさんはのどいためて今はうたえない。

とお歌声うたごえとりともはなせたんだ」



カロットマーはミントのむのを手伝てつだいました。



はやのどくなりますように」


「ありがとう。

カロットマーくんそれで何処どこくの?」


「あっ、そうだった。グレープタウンをさがしているんだ。

ってるかい?」


「グレープタウンは黄金色おうごんいろひかっていてあまかおりもするって。

ホルンのおとるとうごきだす葡萄ぶどうがあるのさ。

そこがグレープタウンだよ」


「ありがとう。黄金色おうごんいろとはおどろきだ」


幸運こううんを!」


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