その答えは。

優@メープル

第1話



ねぇ、皆はさ…"いじめ"って知ってる?


まぁ…ほとんどの人はそれぞれに答えを持ってると思ってるんだけどさ。


いじめる側だけに原因があるのか、それともいじめられる側にも…みたいなどっちが悪いのかってよく話題として出ると思うんだけど、僕にはその答えが見つからない。だからさ、どっちか確かめてみようと思うんだ。


僕は今、いじめられてる。

クソみたいなクラスの奴らに。

死ね、学校来るな、消えろ、その他の非難。

殴る、蹴るは当たり前。意識を失うギリギリまで水に顔を押し付けられたりもした。

あいつらはそれを"遊び"と言い楽しんでいた。

いつからいじめられてるのか覚えていない。

なぜいじめられてるのかも分からない。

助けなんて来ない。手は差し伸べられない。

逃げ道は1つ以外なかった。

…だから、今から逃げるために自殺する。

そして確かめるんだ。

もし、いじめる側に原因があるのなら…

僕は天国に行けるんだろうな… 。

もしそうでなければ___。



さぁ、あとは自分次第。



僕は学校の屋上から身を投げ、アスファルトの床に叩きつけられた。

そして、自分の真っ赤な血を眺めながら、ゆっくりと意識を手放した。




______




「……ーい、そろそろ起きろって。授業終わったぞー」

「…んぇ?」


意識が覚醒した時、僕は教室にいた。


「爆睡してたなー授業終わったぞ(笑)」

「〇〇くん寝すぎだよー」

「アホみたいな顔せずシャキッとしろぃ!」


そして、明るく…暖かな笑い声が、僕の耳に届いた。

気付いた時には、僕の目からは涙が流れていた。

その涙は、何度拭ってもすぐにまた零れ落ちてくる。


「なに泣いてんだよー」

「変な夢でも見たのか?」


クラスメイト達が心配して近寄ってきてくれた。


「いや…何もないよ、、大丈夫…だから。」


そうか。夢を見ていたんだ。

夢は夢の中で死ねば覚めるって聞いたことあったけど…本当だったんだ。



「よっしゃ〇〇、休み時間だぞ!」

「いつもみたいに楽しく遊ぼうぜ!」

「うん…ありがとう。」


そして僕は机の上に置いてあった教科書を中にしまい、席を立とうとした。____クシャリ。


音がした机の中を覗き込むと、ルーズリーフが数枚入っていて、そのどれにも黒いペンで文字が書かれてあった。


"うざい"

"ゴミ"

"この世界から消えろ"


「楽しく…"遊ぼう"な?」


その瞬間、クラスメイト達の暖かい笑顔は消え、見覚えのある冷ややかな笑顔が僕を囲んだ。



あぁなんだ。"そっち"だったんだ。

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その答えは。 優@メープル @yu04maple

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