時の輪廻
taka
プロローグ
7年前に東北を襲った大地震。数10メートルの津波が私の街を襲った。被害は津波だけではなかった。各県のコンビナートや家屋が炎で包まれていた。さらに、原子力発電所が爆発した。私はそれらを後でテレビで知った。
今、私はビルの屋上にいる。ここからの眺めは、あの時のテレビの映像とは違うけど。近くでは、見るも無残に瓦礫になった街が、遠くには赤く輝く空が見える。
テレビもスマホもないから、何も確認できないけど、これがあの時より酷いってことは何となくわかる。人もおかしくなってるし。
今日は皮肉なことに、月が大きく輝いている。スーパームーンらしい。この地獄のような街には少し似合わないかな。
私は、あの時のように、私を助けてくれた7年前と同じように。当時は名前さえもわからなかったけど。
君もどこかで同じ月を見ているのかな。
私は、君がまた助けに来てくれることを信じている。
早く君に会いたい。
私は……ここに……いる……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます