第159話 ◆ミキ女神になる?
◆ミキ女神になる?
あれから2ヶ月が過ぎ、ルナの笑顔作り猛特訓の成果が実って、成功率は99.99%にまでなっていた。
特訓につきあったミキの体は、ズキューン攻撃を何発浴びたかわからないほどで最後の方は、もうフラフラであった。
清水さんには、特訓中は別の部屋に居てもらったり、なるべく買い物に出かけた時を利用して練習したため、清水さんには影響は出なかった。
「ルナ、もう仕事を入れても大丈夫だと思うから、三崎マネジャーに頼んで何か始めてみようか?」
「ミキちゃん、ほんとう?」
「うん。 いつまでも部屋の中ばかりに居たら、あっち(天上界)とおんなじだもんね」
「うふふ、楽しみだわ」
ミキの体調がおかしくなったのは、それから数日後であった。
なんだか、体がふわふわして、たまに体から金色の光りが溢れ出るのだ。
体もだるく、少し熱が出て3日ほど寝込んでしまった。
その間、ルナと清水さんが、交代で看病してくれたので、4日目には熱も下がり普段通りの体調に戻っていた。
「ミキさま。 朝食が出来ましたよ」
清水さんが、ベッドルームに朝食を運んで来てくれた。
「清水さん、ありがとう」
ミキは清水さんにお礼を言いながら、にっこり微笑んだ。
ドキューーン
ぐっ
清水さんは、ミキの笑顔をみて、胸が切なく苦しくなる。
「ミ、ミキさま・・・」
「ど、どうしたの? 大丈夫、清水さん?」
「ミキさまの笑顔を見たら、胸が・・・」
はっ?
「も、もしかしたら・・・」
ミキは姿見の前に走っていき、鏡を見ながら鏡に映った自分に微笑んでみた。
ドキューーン
ぐはっ
「こ、これは・・・もしかして伝染した?」
パタパタパタ
騒ぎを聞きつけ、リビングからルナが、かけこんできた。
「ミキちゃん、何かあったの? 大丈夫?」
ミキは試しにルナに向かって、ぶりっ娘風に言ってみた。
「ルナ、大丈夫だよ。 てへっ」
ドキューーン
ぐっ
ルナは思わず胸を押さえて、2,3歩後ずさる。
「ヤ、ヤバイ! やっぱり・・・ ど、どうしよ~」
「ミ・・ミキちゃん。 それって・・」
「あ゛ーーっ そうだよ。 やっぱり伝染したかも~」
「ミキちゃんたら。 あれは伝染なんてしないわ。 そうだわ。 ひょっとしたら、ミキちゃんも女神になったんじゃないの?」
「へっ? あたしが? まっさか~。 あたしは人間だよ!」
「いいえ。 だってお父様とピーをしたんでしょ?」
「だって、あれは不可抗力だよ。 まさか無意識のまま○されるなんて思ってもいなかったし。 でも、神様はあたしが女神になるなんて話しはしなかったよ。 そりゃあ、人間にしてはかなり凄い力が備わるとは聞いたけど・・」
「でも、今のミキちゃんからは、他の女神と同じオーラを感じるわ」
ルナがミキをじっと見つめて、真剣な表情で言う。
クンクン
ミキは、そう言われて自分の体の匂いを嗅ぐ。
「やだ、ミキちゃん。 オーラは香りとは違うわよ」
「わ、わかってるけど。 ついよ! つい!」
ミキは、動揺を隠せない。
「せっかく、ルナのズッキューンが解決できたのになあ。 今度は、あたしかよ~。 あたしだって仕事があるんだよ・・・ いったい、どうリハビリすればいいんだーーー!」
ミキの寝室には、ただミキの叫び声が虚しく響きわたるのであった。
次回、「ミキの苦難」へ続く
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