ジェレミーの手紙
リコへ
手紙をありがとう。手間をかけさせてすまないな。
こっちは何事もない毎日を送っている。落ちてきたときを思えば、機械が生きてて自由にメシ食って清潔な寝床でしっかり眠れるんだから十分過ぎるほど快適だ。
変わったことと言えば、ブールとネールの兄弟に子供が生まれて、あいつらが砂浜の近くまで毎日のように見に行ってることくらいだ。
ナリタはちょっと森が多いって聞いたことがある。虫に注意しろよ。こっちはヤシモドキばっかりだがそっちはもっと木々の種類も多い。何かに使える木がありそうだよな。大昔みたいに、木の皮や葉や花の染料なんかも取れるかもしれないな。
ジョシュのメッセージは手紙で読んだ。あいつも息子も元気そうでよかったよ。ただ、サガミハラとカガミハラって間違えそうなんだよな。メッセージ局番も似てるし。めんどくせえ。端末はちょうど買ったばかりだ。初期不良があって、設置は今日中にできるかどうか。
そういや、サメが出ないシーズンだけは海岸を開放してる。俺は行政とか関わらないから広報を読まない限り細かい時間は分かんねえが、討伐依頼がない時期に、調べて行ってみるといい。
俺が見つけた仕事はメインの漁師が季節ものだからな、開いてる日ならいつだって遊びに来いよ。ブールたちも喜ぶぞ。ネールは兄弟に続いて子供ができた。浜近くで巣ごもり中で会えないが、ブールが見に行ってる。
もうちょっと保冷車の出来が良くなったら干物を各地へ出荷する予定だ。次に出すのはヒャクリサワとウチノウラの予定だ。最近復興したメイコウは場所が近いから試験的にもう何回か出荷してるんだが、土産には向いてないからなのか缶詰しか売れてない。置こうって決めたときからどうせ売れないって言ってたのに誰も信じなかったからしゃーねえな。
あ、隊長とおまえのパートナーには勧めるなよ。酒が進むからな(笑)
ジェレミーより
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