転校生と私の日常
第2話 青い瞳の転校生
〜十年後〜
「まゆちゃん起きて。遅刻しちゃいますよ」
おばあちゃんが優しく起こしてくれた。あの日から私はおじいちゃんとおばあちゃんの家に住むようになった。
「おはよう」
そう言って階段を下りるとそこには新聞を読むおじいちゃんがいた。
「舞夢魔法は遊び道具じゃないからな」
「うん。わかってる」
うちの家系は代々魔法一家でみんな魔法が使える。でも私はみんなと違って髪が炎のような赤い色をしているから特別みたいで、すごい力を持ってるらしい。
私が間違えて使うと力が強すぎて地球が消滅するらしいから教えてくれないみたい。それに昔から魔法一家はたくさんいるけどその中でも力がずば抜けてる3大名門があってうちもその一つなんだって。(おじいちゃんが言ってた)
「行ってきます』
勢いよくドアを開けると学校へ突っ走ってった。
「おはよーございます」
教室のドアを開けると、、、
「舞夢おっはよー」
突進してくる女の子を華麗にスルー
「わあああ」
ドカン そのまま壁に激突。ドガ。シュゥゥゥ。壁に穴が空いた。
「あいたたたた。、、、うげ、めんど。」
「やるか。ケーラ・シラン・タイ・イン・アラ・ナーサ」
そう樹里が言うと、みるみるうちに壁の穴が修復されていった。彼女は草道樹里
(そうどうじゅり)私と同じで髪の色が違って、彼女の髪色は青々しい緑色だ。草道家も3大名門の一つだ。あと一つあるんだけどそこについてはだーれも教えてくれないの。
「もう樹里ほいほい魔法使ったらダメでしょ」
「大丈夫大丈夫。使いすぎなければいいんだよ」
「舞夢知ってる?今日ね転校生が来るんだって。噂では相当イケメンらしいよ」
「マジで。てかいつものことだけど樹里の情報はどこから入ってくんの。多すぎだよ」
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムがなって私たちは席に着いた。
「みなさんおはようございます。今日は転校生を紹介します。自己紹介をお願いします」
先生がそう言った瞬間、樹里は『ほらね、言ったでしょ』というようにワラシに向かって満面の笑みを浮かべた。私はそれに苦笑いをして返すことしかできなかった。
そして、先生と共に入ってきたのは海のような色の瞳をした男の子だった。
「氷道雪夜です」 (ひょうどうゆきや)
そう一言言うと彼は無表情のままそこに立っていた。
15秒くらい経ってやっとそれだけだということに気づいた先生は、彼に席に着くように言った。
「雪夜君じゃあ君の席は窓側の一番後ろの席、隣の子の名前は炎道舞夢ちゃんよ」
先生がそう言い終わった瞬間彼はスタスタと音も立てずに歩いてきた。そしてまた何も言わずに席に座った。皆、彼の異様な圧力に押されて誰一人喋らず音も立てなかった。その圧力はなんというか一言では言い表せない、逆にそんな簡単なものではないようなそんな圧力。なんでそんな圧力があるのかは今の私には理解ができなかった。
「なんだ」
そう彼に問いかけられ我に返った。
「えっ、なんでもなんですけど、、、」
どうやら私は無意識に彼のことを見つめていた、いや観察していたという方が正しいかもしれない。それほど彼はすごいのだと思った。
「そうか。一つ言っておくが、あまり俺に近づくな。自分のためにもな。」
そう言い放った彼の言葉はとても冷たかった。それでいて少し寂しそうな感じがした。
「なんで近づいちゃいけないの。あなたのそんなことを言う権利はないと思いますけど」
『少し』イラッといたので思いっきり言い返してやった。そう言うと彼は一瞬びっくりしたようなしていないような顔で静かに黒板の方を見た。どっかで見たことあるんだよなぁ。でもこんな感じの悪いやつあってたら絶対忘れないんだけど。まぁいっか。
「では一時間目を始めます。今日の一時間目の授業は歴史です。では教科書八二ページを開いてください」
はぁ、歴史あんまり好きじゃないんだよな。だってめんどくさいじゃん人の名前ばっか覚えさせられるし家が三大名門なだけあっていろいろ協力してって言われるし、、。まぁ協力については樹里も同じなんだけどね。
「今日は三大名門の歴史について学習します」
うげ今日は三大名門かよ。一番最悪なやつじゃん。
「三大名門とはまなさんの知っているとうり魔法一家の中でも特に魔力の強い一家です。私たちのクラスにいる草道さんと炎道さんのお家がそうですね」
またこれだ魔法について何かあると必ず私か樹里に聞かれるか例にされるかのどっちか何だよ。
「先生、三大名門なのに何で二つしかないんですか」
こんなことを誰かが聞いた。
おっそれは私も知りたい。そう思って耳を傾けていると、
「それは先生もわかりません。二人は何か知っていますか」
なんだよ先生も知らないのか。
「知りません」
「教えてくれません」
私と樹里はそう答えた。この話題はここで終わり、そのまま授業は淡々と進んでいった。
「これで今日の授業は終わりにします。さようなら」
『さようなら』
六時間目までの授業が終わり、私たちは帰った。
家に帰ると、私は今日転校生が来たことを話した。はじめは穏やかな顔で聞いてくれていたおじいちゃんだったが、彼の名前を聞いた途端とても険しい顔をした。
「そうか。よかったな。」
口調がなんだかとても冷たい。そしてどこ怒っているようでもあった。
「どうしたの?なんか変だよ」
「いや、なんでもない」
「ふぅん。そっか」
そう言って私は部屋に戻った。おじいちゃんどうしたんだろう。あの感じ絶対なんか隠してるよね。氷道君ってなんか有名なのかな。それとも家となんか関係があるのかな。
「、、、」
「あーー。どんだけ考えてもわからない。明日樹里に聞いてみよーっと」
明日は早く起きるために私は早めに寝ることにした。
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