七賢人たちの酒

楠瑞稀

前書きのようなぐだぐだ

 と言う訳で、酒に関する話をしようと思う。


 ちなみにタイトルは、万葉集に載っていた大伴旅人の「酒を讃める歌」十三首のうち一首。


いにしへの 七の賢しき 人たちも 欲りせしものは 酒にしあるらし


 から頂いた。

 大昔の立派な七賢人様だって酒は飲むんだよ、という歌だ。

 この一連の歌はなかなかパンチが効いていて、私はけっこう好きである。他にも、


あなみにく 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見ば 猿にかも似む


 なんかは、皮肉が利いていて、今でも充分通用するユニークさがある。

 酒の席で気に食わない上司に言われたら、本気でぶん殴りたくなるが。


 酒に関するもので、他に私が昔から好きな言葉に、


百年 毎日酔ったとて、たった三万六千遍


 というものもある。

 これは『金瓶梅』という、明代の中国四大奇書の一冊の中の言葉らしい。

 私は上記の言葉だけのみ知っており、その出典はあとから検索して知ったのだが、猥書として発禁処分を受けたこともあったという、なかなか愉快な本だ。

 ちなみに、岩波文庫から全十巻で出版されており、そちらは発禁にはなっていないので興味がある人は読んでみるのもいいのではないだろうか。上記の言葉も、岩波文庫の小野 忍, 千田 九一の訳らしい。


 つまり私が何を言いたいのかというと、そんな昔から人類は酒を愛してきた、ということだ。

 人によっては、体質に合わなくて飲めないという人もいる。

 飲酒運転やアル中、アルハラはもってのほか。

 しかし自分1人で、あるいは気の合う仲間と楽しく酒が飲めるというのは、幸せなことである。


 ここから書くのは、私の飲んだ酒の記録である。

 酒飲みを気取れるほど酒の味が分かる訳でも、うんちくが語れる訳でも、ついでに言えば量が飲める訳でもない。


 ただ、縁があって酒の美味しさを知り、一年間飲んだ銘柄を記録した。そのほとんどが日本酒である。

 それだけのものだが、これが誰かの参考になれば幸いだ。



 では皆、良いalcohol lifeを。

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