第1話 始まり
「はぁ、疲れた」
もう小一時間ほど森の中を歩いているが、歩けど歩けど木や草ばかりで人ッ子一人居やしない。
というかマジで謎なのが崖からバンジージャンプで落ちてきたのに周りに崖どころか岩すらないんだよなー
ん?川だ、川があるぞ!ラッキー!丁度喉も渇いてたし下流に行けば人がいるかもしれない
背が小さい草を手で払い除けて川に近づくと人?らしき物がうつ伏せで横たわっている
「血まみれじゃねーか!大丈夫ですか?」
俺の問いかけで血まみれの人?が起き上がる
「#$$#$%@?@」
へ?な、なんて?
大きな声で俺に喋りかけてくるが何を言っているかさっぱりわからない…
「@#$?%?」
「いや…だから言葉が分からんのよね…」
お互いに通じない言葉を話していると血まみれの人?
が立ち上がり腰に付いてる剣を抜き始めた
お、おいマジかよ銃刀法違反だぞ!ここが日本だったらだけど!
「?%…@@……」
しかし立っているのがやっとで左右に体が揺れている
血まみれの人?が立って初めて分かる。体中に切り傷のような痕や皮膚が焼けたような痕がある
血まみれの人?は俺に剣を振り上げることもなく崩れ落ちた
「し、死んだのか…?」
少し待つが俺の問いには答えない
やっぱり死んだのかな…?なんでこんなことになってるんだ…?
頭の中がこんがらがっている。?しか浮かばない…
呆然とその場に立っていると血まみれの人?が眩い光を放ち細かい粒子となって空に昇っていく
ピコーン
『敵の排除を確認アビリティを獲得しました。』
頭の中に声が響く
『アビリティ1 能力上昇
ハイスペック
を獲得』
は?な、何?アビリティ??い、いや!その前に敵を排除って、俺何もしてないんだけど!
血まみれの人?がいた場所に目をやるとそこにはさっきまで手にしてたであろう剣をが無造作に落ちていた
『傷だらけの剣』
剣の上に文字が浮かんでいる
目を擦る。虫を倒すように目の前を手ではらう。
自分の頬を強めで叩く。
現実かよ…夢じゃないのかよ…
と、とりあえず川の下流に行って人を探そう、現状何も分からないもしかしたら先輩とかバンジージャンプの人達がいるかもしれないし
「剣…護身用で持っておくか…」
剣を持ち上げて何度か素振りする
「結構軽いな。さて分からないことばっかりだけど人に聞けばある程度のことは分かるでしょ」
能天気なことを言いつつ下流に向けて歩きだす。
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