《クライマックスバトル》

●エネミーデータ

 “ストレイドッグ”のデータは『ルール2』の264ページ記載の「ジャーム:クラッシャー」のデータを活用する。HPはPC人数×20点ほど追加し、《コンセントレイト:キュマイラ》と《加速する刻》をそれぞれLv2で取得しておく。好みで装甲を5点ほどつけたり、《イベイジョン》を外したりしても良い。取り巻きにはEXジャーム扱いで同じく『ルール2』の262ページ記載の「機動隊」と同じデータのトループを“ストレイドッグ”と同一エンゲージに二体配置する。ロールプレイ上の演出としては、“ストレイドッグ”のレネゲイド汚染に充てられた動植物や哀れな犠牲者達が一人でに動き出したとでもするといいだろう。PCの人数が二人以下の場合は配置しなくていい。“ストレイドッグ”とPCのエンゲージは初期配置では5m離れているものとして扱う。“ストレイドッグ”は君達に八つ当たりする事が目的なので、戦闘を速やかに終わらせようとはしない。ゆえにPC1だけには固執せず、侵蝕率がより低い相手、ロイス個数がより多い相手を優先的に狙う。


 

●戦闘開始

 戦闘ルールは『ルール1』の225ページから詳しく記載されている。熟読必須なのでしっかり読むように。特にダメージの出し方とエフェクトの組み合わせについては良く習熟する必要がある。


 

●攻撃手順について

 攻撃の方法についてはやっぱり特殊というか、覚えるまでは少し面倒である。『ルール1』の242ページから詳しく記載されているので、熟読しておくこと。ついでに練習問題を少し出しておく。命中と回避に関しては対決判定となるため、『ルール1』の190ページも参照するといいだろう。


《練習問題》

 ちひろ君がそれでも〈白兵〉判定に挑み、攻撃力10の攻撃で命中判定を行ったところ、命中達成値は35出ました。相手のドッジ達成値は10であったため、攻撃は無事命中しました。この時、ダメージはいくつでるでしょうか?

 ▼答え「10+4d10」

  詳しくは『ルール1』の245ページを参照。



●エフェクトの組み合わせについて

 DX3rdでは特定条件が満たされるなら、複数のエフェクトを組み合わせて同時使用することでより大きな効果を望むことが出来る。詳しくは『ルール1』の252ページを参照すること。ぶっちゃけ面倒臭いので、慣れないうちは焦らずゆっくりと覚えよう。これも練習問題を一つ出しておくので、良ければ参考にして欲しい。


《練習問題》

 ちひろ君はメジャーアクションで使用できるエフェクトを4つ持っています。

 1つ目はキュマイラの〈白兵〉エフェクト。

 2つ目はハヌマーンの〈白兵〉エフェクト。

 3つ目はハヌマーンの〈シンドローム〉エフェクト。

 4つ目はハヌマーンの〈射撃〉エフェクトです。

 このうち、仮に1つ目のキュマイラの〈白兵〉エフェクトを起点エフェクトとして扱った場合、最大でどのエフェクトが組み合わせられますか? なお、これらのエフェクトは全て対象:単体か対象:-で、射程も射程:至近か射程:-であるものとします。

  ▼答え『ハヌマーンの〈白兵〉エフェクトとハヌマーンの〈シンドローム〉エフェクト。ただし全て組み合わせた場合に限る』 

  詳しくは『ルール1』の252ページから258ページまでを参照。

 


●ボスに殴られて死んだが?

 《リザレクト》しよう。《リザレクト》できない侵蝕率にまで達しているのなら、ロイスをタイタス化してタイタス昇華をするといい。ロイスのタイタス化とその利用については『ルール1』の220ページを参照するといいだろう。



●戦闘終了後の演出

「あぐ、あ……う、うそだ、僕が……僕が、こんなところ、で……!」


 “ストレイドッグ”の身体が……徐々に尋常のそれに戻っていく。右腕だけは、異形化したままだが……他は全て、いっそ見すぼらしい程にありふれた……ただの少年に。あとに残ったのは、なまじ強大な生命力を持つばかりに、楽に死ねないジャーム。即死を免れただけだ。


「ああ、くそ……なんで、僕ばっかり……こんな目に……」


 最早、その命は風前の灯。

 放っておいても……勝手に消える。


「たしかにさ、普通なんて、いやだとおもってたよ……僕も、妹……みたいに……みんなに、褒められて……母さんや、父さんにも……」

 

 涙が流れる。

 血の混じった、紅い涙。


「はは、そうか、これは……夢だ、ゆめなんだ……漫画の、よみすぎ、だな……はやく、おきなきゃ……じゃないと、また、母さん、怒ら……れ……」

 

 その言葉を最期に、“ストレイドッグ”の目から……光が消える。

 哀れな野良犬は、泣き笑いの顔のまま……ただ、事切れた。

 当たり前のように一体のジャームが死んだ。

 

 ただ、いつものことだ。

 ……いつもの。


 その後、“ストレイドッグ”の死体は速やかにUGN処理班に回収され、そのまま研究所送りになった。今後、彼の死体が人間のそれとして扱われる事はない。徹底的に解剖され、徹底的に利用され……人としての最後を終えることはない。墓に入ることもなく、銘を刻まれることもなく……ただ、一体のジャームとしてだけ処理される。


 それが、ジャームの末路。

 ……オーヴァード達とも隣り合わせの、『日常』の向こう側。

 『非日常』の行きつく先。

 力を制御できなければ……誰もが、いずれ……。

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