《プリプレイ》

●トレーラー

 何でもない毎日の筈だった。

 今日は昨日の続きでしかないし、明日も今日の続きでしかない。

 そういう日常が続くはずだった。

 それだけの日常のはずだった。

 たった、それだけで……たった、それだけだからこそ……尊い、日常の筈だった。


 だけど、それはもう、二度と――お前の手には、戻らない。

 

 ダブルクロス 3rd Edition 『The Only Neat Thing to Do.』


 ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉


●専門用語について

 『ルール1』の28ページから30ページに早見表があるので、活用するといいだろう。


●概要説明

 今回、君に行ってもらうのは一般的なジャーム討伐である。

 既にこのジャーム……コードネーム“ストレイドッグ”は市井で《ワーディング》を利用した凶行に及んでおり、少なくない数の犠牲者が出ている。UGNのエージェントも既に出動したが、先発隊は全滅し、犠牲者の数を一桁から二桁に増やしてしまった。無論、死者も出ている。この事態を迅速に収拾することができるのは一部の実力者……そう、君のような、強大なオーヴァードだけなのである。

 なお、《ワーディング》というエフェクトについては『ルール1』の169ページを参照の事。 


●ハンドアウト

 今回のハンドアウトは君がこの事件に参加する動機やスタート地点を簡単に指定したものである。好きなものを一枚選ぼう。仲間がいる場合は重複しても構わない。

 また、取ったハンドアウトの種類を仮にPCナンバーとして扱う。

 以後、シナリオ中でPC1やらPC2やらと指定されたら思い出してほしい。


《PC.1「死からの再生」 シナリオロイス:黒田俊之》

 君は異形に変じてしまった知人「黒田俊之」に、訳も分からず殺されてしまった。

 ……筈だった。

 しかし、君は目覚めた。

 致命傷を負ったはずの身体は既に傷一つなく再生し、最早、死の痕跡は引き裂かれた衣服と、そこに付着した血痕しかない。

 そんな君の前に現れたのは……UGNなる組織のエージェント達だった。

 彼らは黒田のことを……“ストレイドッグ”と呼んだ。

 

《PC.2「部隊全滅」 シナリオロイス:“ストレイドッグ”》

 君が所属するUGN部隊は凶悪なジャーム“ストレイドッグ”と交戦し……全滅した。幸か不幸か生き残ったのは君一人だけ。

 しかし、人手不足のUGNは君に休息を与える余裕すらない。

 君は“ストレイドッグ”追撃のため、他の部隊に編入する事になった。

 最早、散って逝った仲間達の今際の際を知る者は……君しかいない。


《PC.3「悲劇に終止符を」 シナリオロイス:“ストレイドッグ”》

 君は近隣のUGN支部から派遣されてきた腕利きのエージェントだ。

 もしかしたら、支部を率いる立場……支部長であるかもしれない。

 今回、君は市井を騒がせるジャーム“ストレイドッグ”の討伐を命令された。

 君は現場に急行したが……一足遅かった、既に新たな犠牲者が出た後だ。

 だが、幸いにも生き残りが何人かいるようだ。

 急いで生存者を回収し……その後、“ストレイドッグ”を討伐しなければ。


《PC.4「自由記述」 シナリオロイス:自由》

 最初に言っておくが、このハンドアウトはある程度、TRPGという遊びに慣れていなければ、取得することは推奨しない。

 君が事件に関わる理由や動機は自分で考えるといいだろう。イリーガルならこのハンドアウトを選ぶも一興である。ただ、このハンドアウトを取る以上、君は君の責任でもってこのシナリオに関わらなければ、ただの部外者で終わってしまうだろう。

 はっきりといってしまえば、このシナリオは君のために準備している席は一つもない。だが、逆に言えば、君には好きな時にシーンに出入りし、自分の席を自分で準備することができる自由があるのである。この自由を魅力に感じ、その自由を行使する責任を君が持つことができるのなら、このハンドアウトは君の心強い助けになるだろう。


 ハンドアウトの選択が終わったら、いよいよゲームプレイに移行する。

 次の章に進もう。


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