オルクス×ノイマン「汎用交渉バッファー」

●クロスブリード交渉バフ型

▼コンセプト

 支援タイプのビルドとなると、だいたいはオルクス絡みになるのがDX3rdの常であるが、中でも特に相方として選択されやすいシンドロームの一つがこの万能の天才、ノイマンである。

 ノイマンは諸氏等も御存知であると思うが、思ったよりも単純で使いやすいエフェクトが多いシンドロームであり、かの天才物理学者アルベルト・アインシュタインの名言である「ものごとはできるかぎりシンプルにすべきだ」という言葉を踏襲している事が伺える。

 まぁ、そのすぐ後に「しかし、シンプルすぎてもいけない」とアインシュタイン氏は補足しているのであるが……それに関しても、どうにも挙動が奇妙なエフェクトで補っていると言えば、一応体裁は保てていると言えなくもないだろう。

 ともかくとして、オルクスは元々ノイマンとは相性が良いシンドロームであり、特に交渉屋として手を組んだ場合、天才的頭脳と黒幕的エフェクトが合わさり、どう見ても悪人としか思えない不穏なロールプレイを好き放題楽しむ事が出来る。翻って、腕力はないが、狡猾で頼れる軍師として味方を導くことが出来る小賢しいビルドが、このクロスブリードの汎用交渉バッファーである。

 

 

▼環境

 レギュレーションは初期作成・フルスクラッチを想定。

 使用するルールブックは要望の関係から、今回は「基本1」「基本2」「上級ルールブック」「インフィニティコード」「エフェクトアーカイブ」とする。

 また、「エフェクトアーカイブ」を採用する以上、エフェクトは全て「エフェクトアーカイブ」による改訂後の記述に準拠するものとする。

 

 

▼シンドローム

「オルクス×ノイマン」

 投書希望の要望に沿って作ったビルドであるが、元々オルクスとノイマンは抜群の相性を誇る組み合わせであり、ソラリスのかわりに此方が採用される事はそう珍しい事ではない。基本的に支援屋である以上、やる事はソラリスを相方にした場合と似ているのだが、無論、ノイマンにはノイマン固有の強みが多くあり、今回はそれを強調したビルドを実用範囲内で組んで行きたいと思う。オルクス×ソラリスもガチ鉄板支援屋であるが、オルクス×ノイマンもまたガチ鉄板支援屋なのである。

 

  

▼能力値・推奨ワークス ・技能

能力値:「肉体1・感覚1・精神4・社会3」 経験点追加なし

ワークス:「何でも屋」 ルルブ1記載

技能:「初期取得技能」 経験点追加なし

 

 肉体0の穴を埋められるワークスなら何でもいいのだが、今回は調達技能を持っている「何でも屋」を適当に選択した。ぶっちゃけ同じ条件のワークスは山ほどあるので、適当に好きなの選べばなんでもいい。「UGNエージェントA」や「UGN支部長A」なども条件はほとんど同じである。「オリジン」目当てで「レネゲイドビーイングA」も悪くはないが、今回戦闘中は能動的に判定する事はほとんどないビルドであるため、それほど「オリジン」系列の恩恵がない。

 


▼エフェクト

「ファンアウト」 Lv1

 セットアップ移動エフェクト。なんと驚きの範囲選択。

 これにより、敵からの初手範囲攻撃などの洗礼を避ける事が出来る。

 移動距離不足に喘ぐ白兵屋の皆さんなども涙を流して喜んでくれること請け合いである。

 ただ回数が1シナリオLv回であるため、今回はクライマックス分しか確保していない。

 ミドルも見据えるならLv2くらいにはしておきたい。

 どんな状況の戦闘でも、初手から陣形を整えられる恩恵は非常に大きい。


「アドヴァイス」 Lv1

 ノイマンの誇る優秀なダイス支援エフェクト。

 ダイスを増加させた上、しっかりとC値も下げてくれる。下限も勿論6という頼もしさ。

 これだけの高性能でありながら制限は一切なし。回数制限もない。

 侵蝕率関係なく初手から使える超優秀エフェクトである。

 とはいえ、今回はLv1取得に留めている。別にC値低下効果だけで十分強い。

 事前にお互いのビルドを話し合える環境でない限り、これで十分である。

 ミドルの情報判定などでも活用する事を考える場合は、もうちょっとLvを伸ばしても良い。


「導きの華」 Lv1

 オルクスの基本的な支援エフェクト。

 RCとも交渉とも組ませることが出来るので非常に便利である。

 今回は「アドヴァイス」軸なので交渉技能エフェクトとして噛ませる。

 戦闘時の事を考える場合、「アドヴァイス」よりこちらのLvを優先していい。

 システムの判定計算式の都合上、固定値は非常に強力である。

 固定値を信じろ。

 

「要の陣形」 Lv2

 支援屋必須の対象拡大エフェクト。使用回数は1シナリオLv回。

 これで複数PCに支援効果をばら撒くことができる。

 将来的には最大Lvで取得したい。

 

「インスピレーション」 Lv1

 ノイマン伝家の宝刀。

 使い方次第では簡単にシナリオをブレイクする恐るべきエフェクト。

 だが、シナリオ進行が行き詰まった時は、GMからしても救いとなるエフェクトである。

 単純な時短に使ったりも出来る為、Lv1でもいいので握っておくと何かと潰しが利く。助ける方法が分らないけど助けたいヒロインを無理矢理助ける際などにも有用である。他にも色々と柔軟な使い道がある素敵エフェクトであり、筆者のお気に入りである。

 とはいえ、確実に効果が期待できる類のエフェクトではないため、腐る場合も多い。他のエフェクトを優先するなら、いっそ引き抜いてしまうのもアリだろう。


「妖精の手」 Lv3

 オルクスが誇るぶっ壊れ万能支援エフェクト。

 効果及び有用性などは、最早説明不要であろう。

 あらゆる局面で役立つエフェクトであるため、要所要所で効果的に使っていきたい。

 

「力の法則」 Lv3 100%制限

 こちらもまたオルクスの超強力ダメージバフエフェクト。他人にしか使えない。

 非常に高係数の火力バフであり、これがあるお陰でオルクスの支援屋は火力も出せる。

 他人越しとはいえ、火力は火力である。



▼アイテム

 特に必須と言えるものは無い。

 基本的にはそのまま財産点としてセッションに持ち込むのが無難である。

 とはいえ、折角豊富に常備点があるので、仲間に何か融通してあげるのは悪くない。

 貧乏で装備品を満足に常備化出来ない仲間がいる時などは特に有効である。



▼Dロイス

 別に好きな物を取ればいいが、基本的には「起源種」がお勧めである。

 このビルドに限らず、支援屋は仲間に支援を投げる関係上、自分のダイスボーナスよりもエフェクトレベルボーナスの方が有用であるため、概ね「起源種」と相性が良い。

 


▼運用

 精神や社会が高い関係でミドルでまず活躍ができる。普通にただ判定を行うだけでも強い。どうしても通したい判定には「アドヴァイス」や「妖精の手」を噛ませれば、だいたいは何とかなる。何ともならない時は「インスピレーション」を叩き込めばいい。

 戦闘中の基本的な運用法は他の支援屋と変わらない。「要の陣形」で「アドヴァイス」と「導きの華」をばら撒き、適宜「妖精の手」や「力の法則」を叩き込むだけである。

 ノイマン固有の強みは「アドヴァイス」による早い段階からのC値バフと、「ファンアウト」による素早い陣形最適化や、「インスピレーション」による柔軟なセッション進行である。 



▼カスタム

 ひとまず「インスピレーション」と「ファンアウト」はPT構成やシナリオによっては別段取り外しても構わない。この辺りを引っこ抜いて「アドヴァイス」や「導きの華」、「要の陣形」などのLvを上げるのも悪くない選択である。「戦術」や「支援射撃」、「勝利の女神」や「戦局判断」などを取るのも悪くない。ただ、「支援射撃」を取る場合は射撃武器が必要になるので、適宜常備化しておこう。リミットエフェクトの「妖精の輪」などを取るという手もある。

 


▼成長

 まずは「要の陣形」と「ファンアウト」のLvを卓で必要な分だけ確保する。「インスピレーション」の回数も好みである。それらが終わったら、カスタムで紹介したエフェクトから適当に選んで取っていくといい。味方PCの数が多い場合は「未知なる陣形」なども確保したい。

 ダメージコントロールを優先して「チェンジ」や「領域の盾」などを取るのも良い。ダイスデバフなどの攻勢が激しい卓であるなら、「妨害排除」なども心強いエフェクトである。

 なんにせよ、やることは単純なビルドであるため、必要なエフェクトはそれほど多くない。適当に好みで選ぶと良い。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る