独断と偏見の割かし良く使うDロイス早見表

 これはサプリメント記載データの解説であるため、基本ルールブック環境で遊ぶ方々の役には立てない記事である。御了承していただきたい。各ステージ専用Dロイスについても、基本ステージ以外で遊ぶこと自体が珍しい事と思われるので、除外する。

 

 また、筆者はいちいち複数冊のサプリを確認するのが面倒で、基本的に「リンケージマインド」しか参照しないため、そちらの方のデータを前提に話をする。多少のエラッタはあれど、一部のもの以外は大同小異で運用法も通じるため、恐らく大した問題はないと思われる。

 

●上級ルールブック収録分(リンケージマインドのデータ準拠)

《賢者の石》

 持った瞬間にPC1になることが半ば確定するDロイス。PLとして使うと言うよりは、GMするときに誰かに箔付けする為に持たせる事が大半である。能力自体は微妙だが、それ以上に、設定面で否が応にもダブルクロスの主要世界観にPCが組み込まれるという点が最大の特徴である。ただ、筆者個人の感性でいえば、これは大きな欠点でもある。PC個人に作中での政治的意味が付与されてしまうため、小さく纏まった話に説得力を持たせるのが難しくなってしまうのである。無暗矢鱈とPC個人の扱いが大きくなるのは避けたいPLには、イマイチなDロイスといえる。

 

《起源種》

 支援屋御用達の鉄板Dロイス。そもそもダイスを振らないビルドのPCに大人気。とくに、Lvで使用回数が増えるタイプのエフェクトを持っている支援屋は、データ面だけでみるならほぼほぼこれ一択である。我こそは和マンチと胸を張るPLは是非ともオルクス混じりの支援屋でこれを握り、「妖精の手」を使いまくってほしい。筆者も良く使う。

  

《変異種》

 一部のビルドは割と使う。基本的に得られるエフェクトはシナリオ回数制限があるものばかりだが、それだって強い。RC型のブラックドッグなどはクライマックス用に「降魔の雷」が欲しいため、RCブラックドッグを組む場合は選択肢に入る。ガード屋ならエグザイルの「生命の海」も非常に強い。ハヌマーンの「クロックアップ」も、まぁ、ハヌマーンだもんなって感じの性能である。ドッジ不能を気軽に付与できるノイマンの「プレディクション」なども、「ヴァリアブルウェポン」などで命中値が低迷しがちなノイマンにしっかりと噛み合う。攻撃型オルクスなら「万色の檻」も嬉しい。サラマンダーも貴重なシーン選択攻撃である「コキュートス」がある。ソラリスも「さらなる力」と相性が良い「バーストアップ」が嬉しい。あとは誰でも使える装甲無視の「ピアシング」などが頼もしい。

 とはいえ、全体的にエフェクトの癖が強く、基本的には自分で効果的なコンボが組める中級者以上向けのDロイスである。漫然と「とりあえず」で使うのはお勧めしない。

 

《対抗種》

 そして、こっちは漫然と「とりあえず」で叩きこんでも雑に強いDロイスである。HPロスがあるとはいえ、増加するダメージダイスの数があまりにデカい。攻撃的なビルドなら「とりあえず対抗種つんどくか」で概ね成立する上、強力である。流石にHPロスがある都合上、ブラム=ストーカーなどで積むのは若干躊躇ってしまう部分もあるが、それを差し引いたって強い。アタッカーを組む場合は、常に候補として頭の片隅にいれておこう。

 

《実験体》

 これもまた雑に「とりあえず」で取ってよいDロイスである。能力値増加はダイス数は勿論、HPや行動値などの副能力値も向上するため、痒いところに手が届く。何より効果自体がシンプルでわかりやすく、面倒な追加処理もないため、初心者向けであり、GMにも優しい。ただ、良くも悪くも効果が地味かつ、変わったことができるわけではないため、PLがビルドに慣れれば慣れる程、徐々に足が遠のいていくDロイスでもある。とはいえ、変に尖らせるより丸くしたいというビルドなら、やっぱり割と使ったりもする。特に行動値やダイスを確保したい時に便利なDロイスである。

 

《戦闘用人格》

 ひゃーははははは! やっと”外”にでられたぜぇ!! こいつぁなぁ! てめぇらみたいなアマちゃんを内側におしこんで、俺みたいな”ホンモノ”が表に出る為の”鍵”なんだよぉ!! 力が欲しいだろぉ? 俺にちょぉっと体を貸しなぁ! すぐに済ませてやるぜぇ……こんな風になぁッ!!

 そういうDロイスである。

 写楽保介でもいいし、遊戯と闇遊戯でもいいし、フェイとイドでもいいし、匂宮出夢と匂宮理澄でもいいし、アレルヤとハレルヤでもいいし、フジキドとナラクでもいいし、まぁ、類似品は古今東西どこにでもいる。

 RPは楽しいが、性能面はどうにも癖が強い。弱いわけではないのだが、100%超えてからじゃないと恩恵がなかったり、バックトラックのダイスが減ったりと、素直に勧められる性能とは言い難い。ただ、RPするのはとても楽しいので、多重人格RPを楽しみたい方であるなら……素直に、”俺”を選びなぁ? 後悔はさせないぜぇ!! ヒィハハハハハハ!!

 

《生還者》

 絶対にPCをロストしたくないPL御用達のDロイス。効果は単純明快。バックトラックのダイスの数が増えてちょっとタイタス効果が制限される。それだけである。効果の都合上、初心者に非常に向いているDロイスであり、これさえ握っているならよっぽどの大事故が起きない限り、そうそうPCがロストすることはない。耐久性が向上すると言う事でもあるため、ガード屋にも有効な選択肢である。

 

《複製体》

 雑にとって強いDロイスシリーズ筆頭。困ったらこれでいい。そんなもんだから、全PC複製体なんてセッションも日常茶飯事である。候補先は当然ビルドによって変わってくるわけだが、だいたいはとりあえず「渇きの主」、とりあえず「ペネトレイト」、とりあえず「サイレンの魔女」、とりあえず「妖精の手」、とりあえず「ハードワイヤード」、とりあえず適当なカバーリングエフェクト、といった具合で、手軽にビルドの補強が可能である。これらが初期取得無料で手に入るという点も大きな利点であり、悪事の数々は枚挙に暇がない。

 

《秘密兵器》

 専用アイテム取得Dロイス。効果の性質上、高い汎用性がある。筆者のお気に入りは「マスターズコネクション」である。これで「パワーアシストアーマー」の一発購入を狙う。

  

《古代種》

 ロリババァやショタジジィになれるDロイス。性能面も優秀であり、「デジャヴュ」、「コンダクト」、「フォース」、「フラットシフト」、「リザレクション」、「リプレッション」、「ルーラー」とユニークで強力なエフェクトが揃っている。中でも「ルーラー」は専用ビルドを組めばまさに支配者としか言い様がない強権と悪辣を振るう事が出来、さながらTCGのパーミッションデッキを彷彿とさせる地獄のようなボードコントロールが可能になる。とはいえ、こういった強力なダイスデバフは対策されるとゴミだし対策されなきゃされないで酷い事になるので、使用する際は注意しよう。

 

《触媒》 

 雑にとって強いシリーズ。気軽に追加メインプロセス付与。

 ソロセッションでない限り、確実に仕事する。

 余りにシンプルかつ強いので言う事が何もない。

 

《精鋭》 UGNチルドレン専用

 続けてまた、雑にとって強いシリーズ。固定値は正義。

 本当に特に言う事がない。シンプルに強い。

 

《申し子》 ピュアブリード専用

 まだまだ続く、雑にとって強いシリーズ。

 そもそもラインナップが強力過ぎる、「アンプリフィケイション」、「エナジーシフト」、「インターセプト」、「セレリティ」、「リミットブレイク」と選り取り見取りである。

 特に「アンプリフィケイション」が強力であり、アタッカーが雑に持つだけで活躍する。

 

《超血統》 ピュアブリード専用

 まだ終わらない、雑にとって強いシリーズ。

 最大Lv増加は正義。デメリットも大半のビルドではないも同然である。

 

《亜純血》 クロスブリード専用

 雑にとってもあんまり強くないのでビルド考えるシリーズ。

 クロスブリードでもピュア制限エフェクトを取りたいビルド御用達。

 だいたいはサラマンダー混じりが「結合粉砕」を引っ張る為に取る。

 これで取ったエフェクトはLvがあげられない。100%エフェクトの取得制限もつく。

 

《業師》 トライブリード専用

 トライブリードでも100%制限をとりたいビルドのために。

 だいたいはバロール混じりが「時の棺」を引っ張る為に取る。

 

《光の指先》 エンジェルハィロウ専用

 回避エンハイ御用達のダイス増加エフェクト。

 単純に係数がいいので、普通のアタッカーが雑に取っても良い。

 ただ、《実験体》のほうが手軽ではある。

 

《雷帝》 ブラックドッグ専用

 単純ダメージ増加。ブラックドッグの必殺技。

 名前もカッコいい。

 

《機械化兵士》 ブラックドッグ専用

 単純ダメージ軽減。ブラックドッグ混じりのガード屋御用達。

 常時軽減なので単純に強い。

 

《黄昏の支配者》 ブラム=ストーカー専用

 従者利用ビルド希望の星。なんとセットアップで未行動の従者が生み出せる。

 ぶっちゃけ、これで生み出した従者にカバーリングをさせるだけで強い。

 従者利用型でなくても強いので、ブラム=ストーカー混じりなら雑にとっていい。

 基本的には「赤色の従者」をLv1取得するだけでも、元がとれるだけの強さがある。

 

《野獣本能》 キュマイラ専用

 速やかに獣化したいビルドで役に立つ。

 特に「復讐の刃」と相性がかなり良い。

 移動エフェクトを絡めればセットアップから敵陣に飛びこめる。

 キュマイラの肉体能力値の高さを生かしたドッジも視野に入れたビルドでも活躍する。

 

《羅刹》 キュマイラ専用

 攻撃力増加。

 ただただ単純に強い。余りに効果がシンプル過ぎて言う事がない。

 RPも捗る。

 

《神速の担い手》 ハヌマーン専用

 はい! じゃ、セットアップで「戦いの予感」+「スピードスター」のコンボいきまーす!

 行動値いくつかなぁ、40ちょっとかな(笑)

 じゃ、俺の手番なんで「サイレンの魔女」に以下略。

 

《錬金術師》 モルフェウス専用

 アイテム作成エフェクトを強化する。

 主に「マルチウェポン」ビルドなどで活用する。

 

《達人》 ノイマン専用

 単純な攻撃エフェクト強化。

 係数が良く、フレーバーも最高にカッコいい。 

 

《永遠の炎》 サラマンダー専用

 ただでさえ強いサラマンダーにさらにもう1つ係数4の攻撃力増加エフェクトが増える。

 しかもセットアップエフェクト。

 雑に強いので、RCサラマンダーならとりあえずこれでいい。

 

《記憶探索者》 ソラリス専用

 昇華されたタイタスをロイスに戻すとんでもないDロイス。

 その強さは言わずもがなである。雑にとっていい。

 

 

●パブリックエネミー収録分(リンケージマインドのデータ準拠)

《強化兵》 FH専用

 単純明快な攻撃力増加。

 流石FH専用Dロイスだけあって雑に強い。

 

《装着者》 FH専用

 こっちも単純なアイテム常備化。

 FH専用アイテムは全体的に高性能であるため、やっぱり雑に強い。


《不死者》 FH専用

 春日になれる。効果は単純なバックトラック帰還率増加である。

 また、このDロイスをとるとUGNからはジャーム扱いされる。

 むしろ、この追加設定部分こそが、このDロイスの肝であり魅力と言えるだろう。

 

《破壊の子》 FHチルドレン専用

 効果的には《超血統》の劣化版だが、こちらはクロスやトライでも取得が可能である。

 これもまた、雑にとって強いシリーズである。

 

 

●インフィニティコード収録分(リンケージマインドのデータ準拠)

《愚者の黄金》

 主人公に与えられるDロイス《賢者の石》と対になるデータのDロイス。

 効果よりもやはりフレーバーが強い。設定部分として《賢者の石》を持つキャラのライバルポジションに座れる。PC2やFHセッションのPC1などに似合うDロイスである。

 

《屍人》

 ガード屋御用達のダメージ軽減Dロイス。軽減係数が大きい上に常時。

 フレーバー部分も非常にカッコいい。

 

《守護者》

 対象単体化Dロイス。

 こちらもガード屋御用達だが、効果の都合上、普通のPCが握っても十分強い。

 雑にとって強いシリーズである。

 

《傍らに立つ影》 ウロボロス専用

 ウロボロスのコピーエフェクトを水増しするDロイス。

 雑に強い。


《輪廻の獣》 ウロボロス専用

 また雑に強いシリーズ。タイタスを叩き割って判定を自動失敗させる。

 ウロボロスは性質上、侵蝕率燃費が最悪であるため、洒落にならないデメリットである。

 よく考えて採用しよう。

 

 

●リンケージマインド追加分

《破壊者》

 行動値及び攻撃力増加。ドッジやガード値は下がるが些事である。

 行動値を直接あげるDロイスは珍しく、概ね全てのアタッカーと適性がある。雑に強い。

 

《遺産継承者》

 遺産と呼ばれる専用アイテムを取得するエフェクト。

 遺産はアイテムだが、特定のエフェクトデータやら特殊効果がついでについている。

 デメリットも一緒にあったりするが、だいたいはただただ雑に強い。

 

《黄泉還り》

 非常に強力なダイス増加効果を持ったDロイス。

 あらゆる判定のダイスが自分へ向いているロイスの数×2個増加というのは破格である。シーン中に登場しているキャラクターだけが対象とはいえ、PCに取ってもらうだけで十分といえる。

 ただ、このDロイスをとると公式事件の面影島事件に関わった事になってしまう。

 設定を読み込んだりとかが面倒というデメリットがある。

 

《正義を為す者》

 戦闘不能時、一回だけHP全快で起き上がるDロイス。ガード屋が取ると非常に強い。

 が、これも公式設定のジャスティスロウヤーズなる何だらかんだらに参加しなければならない。設定面での縛りがデメリットである。

 


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●ヒューマンリレーション追加分

 筆者は個人的にREC周りのルールが煩わしいので殆んど使っていない。 


《代行者》

 効果そのものは一時的なダイス増加効果だが、問題部分はそこではなく、公式NPCであり、UGNの大幹部であるテレーズ・ブルムの鶴の一声をルール的に持ち込む事が出来る事である。シナリオによっては問題の根幹そのものを粉砕する、いわゆるシナリオブレイクが簡単に可能になる超絶危険Dロイス。濫用は避けたい。

 

《蜘蛛の巣》

 効果自体は《精鋭》と似ているが、こちらは取得ワークスに制限がない。

 

《悪運》

 ガード屋用エフェクト。1シナリオ3回も5d10のダメージ軽減が可能になる。

 

《悪夢》

 FHでなくても取得できる《不死者》と同じ効果のDロイス。

 しかも、こっちはジャーム扱いされないで済む。RECで攻撃力増加もついている。

 

《死と再生》

 特殊な攻撃力増加Dロイス。

 発動すればシーン終了まで維持されるので悪くない。

 

《彷徨者》

 対象単体化Dロイス。雑にとって強いシリーズである。

 RECでダメージ軽減効果もつく。

 

《人造の者》

 エフェクトを組み合わせた判定限定でダイスと攻撃力を強化する。

 

《財閥援助》

 マイナーアクションを消費するだけでシーン終了時まで好きなユニークアイテムを持ってこれるとんでもないDロイス。

 ちょくちょくシナリオブレイクに加担する。濫用は避けよう。

 

《発明品》

 アイテム常備化Dロイス。

 じゃ、「パワーアシストアーマー」を常備化します。

 あ、「スチールギガント」でもいいですか?

 

《盾の人》

 盾の人なのでエンゲージ外の人もかばえる。シナリオ回数制限。

 「もうついたのか!」「はやい!」「きた!盾きた!」「メイン盾きた!」「これで勝つる!」

 

《純愛》

 ダメージ軽減効果。RECで指定した相手なら0にまで軽減する。

 最初から関係性があるPC同士なら悪くもない。

 

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