あおはる。
さり子
1日目
今日も僕は、1人で図書室に
僕は、
本棚に向かう彼女は、
全てを兼ね備えた彼女は、男女共に好評があり、1日毎に告白を受けるような人間だ。
僕とは正反対の世界に生きる彼女に、密かに僕も、恋心に近い憧れを抱いている。
すると彼女がゆっくり振り向き、その長いサラサラの髪の毛を耳に掛け、僕に微笑みかけた。無意識に見詰めていたらしい。慌てて目を逸らすも、花も綻ぶその笑顔を拝めたのでまあ良しとしよう。
しかしそんな彼女だが、友人から聞いた事だが彼氏が居たことは無いという。彼女自身がそういうのに
「おーい有村!!」
不意に投げ掛けられた声に僕は大きく肩を揺らす。声の主は知っている。唯一無二の友人、
「ちょ、此処図書室だよ……!」
「まあまあ気にすんなって!男の癖n……っへぁ?!」
僕の肩を痛い程にガシッと掴み揺さぶる彼の紫村のテンションに付いていけずされるがままだったが、突然彼が
「しゅしゅみません!!!俺読書します!!」
彼女の方を向きながら噛みまくりの口調でそう告げた彼は、僕が読み終わったテーブルの上の小説を取り、開いて読書を始めた。あの彼女はと言うと……クスクスと紫村を見て笑いながら本を数冊抜き取り、図書室を後にしていた。何かと思い紫村の方に向き直ると、僕は理解し耳打ちで指摘してあげた。
「……紫村、本、反対」
「あ、ああ。そうだな!俺はこれで十分だ!」
訳の分からないことを言いながら、紫村はその休み時間の間ずっと逆さまのまま本を読んでいた。
今日の出来事といえばその位だった。
他にあったと言えば、小柳さんの借りて言った本を次に貸出するための予約をしている男子を見た事と、夜寝る前に紫村の小柳さんについての話の聞き相手になってあげたことくらいだ。
あおはる。 さり子 @SARIKO
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。あおはる。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます