「馬鹿」という方が「馬鹿」
今より少し昔の事。
その日、
空に
青空と、白い雲と、
その組み合わせが、
誰かに見てもらいたくなった。
しかしその日は、
仲間達は全員仕事で
私以外は家にいない。
なので。
「
私は、
我が家にいる家族を呼んだ。
「なぁに?」
名を呼ぶと、
ぽてぽてと大き目の足で歩きながら、
アーモンド形の目を
この子の名は、
我が家のアイドルの、
ミニチュアダックス君だ。
「~なんだけど。」
とつける
「ほら、
「にじ?」
不思議そうに小首を傾げる彼を、
優しく抱き上げ空を見せる。
「ほら、あれが
空に
彼はその目をまん丸にして
「わぁ~!とってもきれいだね!
ボク、はじめてにじみたよ!」
キレイな物をもっと知ってほしくなった私は、
彼に
「
雨の水にお日様の光が当たって光るから、
あんなにキレイなんだよ。」
「へぇ~。
きみはやっぱり、すごいねぇ。
いろんなことをしってるんだね。」
感心した声で言う彼の言葉に、
気を良くした私は他の事も
空の事、雨の事、風の事。
その度に感心し、
真剣に聞いてくれる彼に・・
調子に乗った私は、
「
と。
・・本当に、
だが、彼の悲しそうな顔を見た時・・
私は、
とても
「あ、その。
ご、ごめ・・。」
しどろもどろで
それより先に彼が口を開いた。
「ボクはばかじゃないよ。
きみがボクのしらないことを、
たくさんしってるだけだとおもう。」
そう言うと、
私の目を真っ直ぐ見ながら、
ゆっくりと長い
「ボクね、
きみとおはなしするのすき。
しらないこと、
いっぱいきかせてくれるから。
でもね、
ボクもしってることあるんだよ。」
だからこんどは、
ボクのおはなしきいてね。
「・・うん。」
その後、彼は私に
雨の後は、良い
カタツムリからは、
不思議な
彼だけが知る楽しい話を、
私に
「ね!ボクもいっぱいしってるでしょ!」
彼は尻尾を振り、
大切な事を教えてくれた小さな家族の頭を、
「そうだね。
・・
私が穏やかな声でそう言うと、
彼は元気よく尻尾を振りながら、
嬉しそうに笑った。
その後も、2人で色々話をする。
とても楽しかったので、
気が付いた時には夕方になっていたが。
その日以来。
私は
相手を「
小さいが、純粋で賢い彼に、
忘れてしまっていた大切な事を、
思い出させてもらったから。
「
という事を。
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