呼びかけ
「・・・・!」
ん?
今、
「・・。」
誰かが呼ぶ時、
私は1回で返事をしない。
『誰かに名前を呼ばれても、
1回で返事をしてはいけない。』
幼い時から、
そう教えられているからだ。
人で無いモノは、
時々知り合いの声を
呼びかけてくる時がある。
もし、それに
連れて行かれてしまうのだ。
呼んだのが人間か、
違うモノかの見分け方は、
人で無いモノは、
続けて名を呼ぶ事ができない。
つまり、
名前を呼ばれたら
もう一度呼ばれるまで待つ。
その後、
再び呼ばれる事が無ければ、
相手は人ではなかったという事だ。
もう一つの方法としては、
聞こえた声の持ち主本人に、
呼んだか
我が家では、
いつもそうしている。
なので
私は自室から1階に下り、
先程聞こえた声の主、
「
「どした?」
「呼びました?」
そう
彼は不思議そうな顔をする。
「いや。
呼んでねぇけど。」
「あ、やっぱり。」
返事をしなくて正解だったようだ。
1人で
「あぁ!
ついさっき逃げた奴がいたな!
弱そうだから放っといたんだよ。
・・そっかぁ。」
あいつ、俺の声真似したんだ。
私はそれを見て溜息をつく。
「馬鹿だなぁ。」
仲間達の声を
私は引っかからないのだが。
それよりも、
自分の事を知っておけばよかったのに。
逃げたモノとは、
もう2度と会う事は無いだろう。
私は静かに、自室へと戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます