剣さんの虫取り
「おーい!!」
あれ?
読んでた本をソファーに置き、
私はリビングから庭に顔を出した。
「どうしたんですか?
彼と一緒にいた物体を見たせいで、
私の言葉は途中で止まる。
「そろそろ
すげぇだろ!
「確かに、立派な
これ、なんていうんですか?」
「オハギだ!黒くてまん丸だから!」
「名前は訊いてません。」
どれだけおはぎ好きなんですか。
それと、食べ物の名前つけないで下さい。
『ブルファング・オオクワガタ
分厚い
口の横に牙があり、
力も強く丈夫な為、人を乗せて運ぶ事や、
なお、幼虫も怪力で丈夫な為、成虫と同等に扱える。
草食だが凶暴なので、飼育の際には注意が必要。』
「だ、そうだ。」
「訊きたかったのはそこじゃないです。」
通りがかった
「これは何ですか」と尋ねたところ、
『丈夫な巨大
なる本を
「そこじゃない」と伝えたら、
彼は心配そうな顔をする。
「飼育方法の
お前には無理だから、止めておきなさい。」
大丈夫です。
飼育する気は
クワガタの
「
厚さ10メートルのコンクリートぐらいなら、
突進で粉々にできるんだぜ!」
「パワフルですね。」
で、どうして連れて来たんですか?
「今、
お前にもさせてやろうと思ってさ!」
「カブトムシ
子供の頃、カブトムシ捕まえてやってました。
楽しいですよね。」
乗り気になった私だが、
そこでカブトムシを1匹も持っていない事を
思い出す。
それに、
カブトムシを取るにはまだ早い時期だ。
「もっと暑くなってからでもいいですか?
まだ
私がそう言うと、
「暑いとバテるだろ?
「え?でも」
話が
私が頭に
彼の
「ギシャァァー!!」
と
その大きな
「
それを見た時、
頭の中に辞典の内容が
『
本人は楽しそうに笑っている。
「お、オハギ、やる気満々だな!」
「
この個体は当たりの様だ。」
「さっすが俺!目の付け所が違うな!」
痛みなど感じていない様だった。
「やる気があんのはいいけど、もう少し待てよ。
今、他の奴らも来るから。」
彼は
平然とそれを広げて脱出し、
そのまま巨体を片手で持ち上げる。
「
全員
片手で
私が
「ふむ。
あれ位の相手なら、お前もできるだろう。
やってみるか?」
「・・なにがですか?」
「ブルファングオオクワガタとの
中々楽しいぞ。」
カブトムシ
クワガタと
「それとも、もう少し小さいのがいいか?
あいつは、コハギという幼虫も持っていた筈だ。」
「足の
引っかかりそうなんで、
後、赤ちゃんを投げるのは
それと、
食べ物の名前はやめさせて下さい。
(この遊びは、
精神
その疑問は、
それぞれのクワガタを連れて集まってきた
仲間達を見て、胸にしまっておく事にした。
・・楽しそうだから、いいか。
この後、
集団で脱走し、大騒ぎになった。
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