スカイシップ
@amigajapan
第一章
この話はフィクションです。
「君は、どこにいきたい?」
ふと、空を、ぼんやり眺めていた僕に、話しかけて来たのは、始めて見る子供だった。
どこに?て、言われても、僕は、「ここ」しか知らなかったから、意味か,わからなかった。
「僕は、ここにいると、思うよ、だって、ここ以外にどこに行けるんだい?」
「君も知らないんだ。なんて、僕もさっき聴いたばかりなんだけど」
彼は、とても嬉しそうな顔をして、僕の横に、寝転がった。
「空きれいだね」
「うん。僕はこの空が好き。水色の空が、ずっと続くんだ。 でも、なんだろう?何かが違う気がするんだ。でも、それが何なのかわからないんだ。」
「何が違う気がするの?僕には、普通に見えるけど?」
「気持ちのいい、風が、僕を横ぎる時、僕を包むように、過ぎて行くのが、気に入ったよ」
「そうなんだ。僕は、空一面、水色なのが、好き。」
「でも、僕は、この空の水色になりたい。この空の一部になりたいんだ」
「空の一部?空は、大気でできていいると聴いたことがある。でも、それは、いつ聴いたのかわからないんだ。」
「ところで、どこにいきたい?て、なんでそんなこと聴いたの?」
「ああ、それ。この世界から、消えちゃう人がいるんだ。姿がみえなくなったから、一生懸命探すんだけど、見つからないの。もうずっと前からいる人に聴いたら、僕に、どこに行きたい?て、聞かれたから、君にも聴いてみただけ」
「どこと、言われても、僕は行くとこないし。この水色の空の下にいるのが、一番落ち着くよ。」
「そろそろ、日が沈むよ。西の海は、浅いんだよね。僕は、泳ごうかな。タオル貸してもらえるよ」
「海があるの?僕も泳ぎたいな。日が沈むって、夜になるの?」
「もちろん。レストランがあるから、夕飯も食べようよ。僕、家から、結構遠くまで、来たみたいだなあ。」
「僕、ここから離れたことないから、不安だな。ここには、帰ってこれるよね?」
「もちろん。でも本当に知らないんだね。正直、驚いた。あのずっと明るいとこで、生活していたなんて。」
「うん。気づいたら、あの青空の下にいた。僕は、ホッとしてた。他の人とあったの、君が始めてだよ。」
「君は、どこにいつもいるの?」
「街。いっぱい人がいるよ。暇な時間、あちこち街を探してるんだ。青空だけの場所が、あるなんて、思って無かった。というか、今日始めて入れた。」
「僕もひと泳ぎしてみたいな」
「うん。そうしよう。レストランで、タオル借りられるよ。」
「君は、何が好き?僕は、贅沢だけど、ステーキが好き。」
「僕は、なんだったかな⁇思い出せないな。」
「まさか、ずっと食べていないの?」とても驚いた彼に対し、「うん。あの空の下にいるだけで、満足なんだ。」
「君は、いつからあの草原にいるの?」
「いつからだろう?思い出せない」
二人は、仲よく、草原を歩いて行くと、向かって行く空が、どんどんオレンジ色になって行き、波の音も聞こえだし、甘いフルーツの香りが、しだし、二人は、楽しくなり、一緒に 駆け出して行った。
西の海に着くと、海は、透明で、潮の香りが、して、浜辺には、貝殻がたくさんあり、二人は、浜辺の近くの、レストランに、予約をして、タオルを、借りて、早速海に向かい走り出した。
夕焼けの海は、暖かく、海は、透き通っているので、とても心地よく泳げた。
しばらく泳いでいると、レストランのウェイターが、ご飯の時間だと、呼びに来た。
二人は、タオルで身体を拭くと、服を着て、レストランに行った。
ハンバーグセットと、ステーキセットを、注文すると、やっと、自分たちが、始めて会ったことを気づいた。
そこに、溝はなかった。二人とも笑うと、お互いニコニコしながら、夕飯を、食べた。
「僕は、草原に戻るけど、君は?」と、聴くと、「じゃ僕は、家族の元にかえるよ」といい、二人は、別れた。
翌日、家族の元に戻った少年が、泣きながら、草原にやって来た。
少年は、「昨日はいたのに、今朝起きたら、お父さんが、いないんだ。お母さんが、泣きじゃくって、「あの人は、もう戻ってこない。一言も言わなかった」て」泣きじゃくりながら言うと、少年は、びっくりして、二人で、彼の家に向かった。
家に着くと、お母さんは、部屋の中で、ベッドに伏せていた。
少年は、恐る恐る、母親に声をかけると、母親は、「あなたたちは、いなくならないで、ずっと家族で居て」と、腫れた目で、少年を、抱きしめた。
彼は、いっそう激しく泣きながら、「お父さんは、もう帰って来ないんだ」と、いい、母親と泣いていた、
彼は、奇妙なことに、気づいた。
「そういえば、僕の家は、なんでないんだろう?僕の家族は?僕は.いつから、あの草原で、生活しているんだろう?」
少年は、「僕は、いつから、ここにいるんだ?」と一言発すると、「僕もわからないんだ」と。泣きながら言った。
ぐすぐす泣いていた彼は、「気づけば、この家に居て、家族もいたんだ。僕は、家族がいたから、とても嬉しかったんだ。だって、一人じゃないって」
「一人だったって、なんで、僕は、草原で生活していたのかな?」
「そんなことわからないよ。僕は、何か忘れているんだ。大切なこと」
「あたしは、家族があったから、幸せだった。驚いたけど、優しいあの人の妻で、嬉しかった。もう、殴られることないって、、、」
「殴られる?どうして?お母さんは、大切にされてたじゃん?」
「そうよ。そうよ。毎日、殴られていたのよ。でも、そこまでしか、思い出せないわ」
と、言うと、母親は、身体がガタガタ震え出した。
少年たちは、母親を、抱きしめたり、身体をさすり出したりしたが、母親はなかなか、症状が、治まらなかった。
しばらくすると、母親は「思い出した。思い出したわ」と、言い出した。
すると、見たことのない老女が、入って来て「あなたの望む世界は、何?あなたが、帰りたいところはどこ?」.と、聴くと、母親は「温かい家族」と、応えると、老女は、彼女をおこし、家を出て、どこかに連れて行ってしまった。
残された、少年と、弟と、妹は、ショックで、部屋に入り、鍵を閉めてしまった。
近所の人たちは、「また、二人消えたわね」と、ボソボソと、会話していた。
何人かが、「しばらくうちに着なさい」と言ったけど、少年が、「草原においで」と、言うと、子供たちは、「うん!」と、応えると、軽く荷物を作り、家を出た。
「おにいちゃん、その草原、寒くなったりしないの?雨はふらない?」と、聞いたけど、そういや、あの草原で雨や雲を見たこと一度もないことを、思いだした。
そう。あの水色の空は、ずっと水色のままだ。日も暮れなければ、朝日も上がらない。
彼は、その疑問さへなかった。
少年の妹は、「あたし、生まれ変わっても、ママとパパの子供で生まれたい」と、鼻をずずりながら、いった。
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