ゲームオリンピックは日本よわすぎィ!!

ちびまるフォイ

オリンピックでメダルは取れるのか!?

今やゲームは全世界共通のエンターテイメント!

遊びという枠を超えて競技となっていた!


4年に1度開催されるゲームオリンピックはその中でも大きな人気を博していた!!


「今年こそメダルを取るぞ! ゲーム大国日本の名にかけて!」


日本代表はやる気満々で大会に臨んだ。

格闘ゲーム部門。


「今回のゲームは、ストリートファイターとスマブラ、そしてモータルコンバット。

 3番勝負とはいえ、すべて勝つつもりでいけよ」


「ククク……この世界のウメハラを舐めてなめてもらっては困ります」


結果は、日本惨敗。

今年もメダルを逃してしまった。


「うおおおい! 最初の余裕はどうしたんだよ!?」


「ぐすっ……だって……コントローラーが反応しなくて……」


「ゲームに負けた言い訳が小学生だよ!!」


日本代表は格闘ゲームを諦めてパズル部門やレース部門に顔を出した。

しかし、こちらも惨敗。世界の壁は高かった。


「ぷよぷよやテトリスならまだしも、ルミネスとツムツムは無理ですじゃ」

「うかつだった……マリオカートでワンワン取られるとは……不覚」


「もういい! 次だ! シューティングこそ日本がメダル取るはず!!」


日本代表はシューティングゲーム部門にかけた。


種目ゲームである「コールオブデューティ」「スプラトゥーン」「バトルフィールド」は、

日本でも大人気のゲームなので海外にも腕前はひけを取らない。

かならずやメダルを持ち帰ってくるはず。


シューティング代表選手である14歳の少年が戻って来た。


「どうだった!? メダルは取れたか!?」


「マジむかつくよ。ちゃんとゲーム勝負なら負けなかったのに」


「なんだって?」


大会の様子をビデオで振り返った日本代表は、大人相手に善戦する少年を見た。

しかし、劣勢になると少年を挑発して手元を狂わせて勝利を収めていた。


「お、大人げねぇ!!」


「HAHAHAHA。ゲームだけ強くてもダメなのだよ、ジャップ」


金メダルを取ったアメリカ代表は鼻高々に自慢した。


「まだアクションゲーム部門が残ってる!!」


日本代表は最後ののぞみをアクションゲームにかけた。

種目ゲームは「ダークソウル」「ゴッドオブウォー」「マリオ」の3つ。


どれだけ早く、どれだけミスがなく、どれだけ無傷で進めるか。


「よろしく頼むよ、これを負けられるともう後がないんだ!!」


「……がんばります……」


アクションの選手は無口な女性。

しかし、その腕前は日本代表の中でもぴかいち。


ネットに投稿されたゲーム動画で見染められて国の権限で学校を辞めさせてまで選手として育成したリーサルウェポン。


日本代表はかたずをのんで成り行きを見守っていた。


「ボンソワール、マドモアゼル。君のように美しい女性と競えるなんて光栄だよ」


「そ、そんな……私なんて……///」


「君をはじめてみたときからメダルのことなんてどうでもよくなったよ。

 僕は君の心のメダルを奪うことしか興味がなくなってしまった」


「私たち……まだあったばかりだし……///」


「ゲームもひとも一期一会さ」

「フォーリンラブ……!」



「なにこれ」


アクションゲーム部門でも日本は負けた。

優勝は開始早々に口説き始めたイタリア代表の優勝だった。


RPG部門も、音ゲー部門も日本は負けた。


「ああ!! なんてことだ! またメダルを逃してしまった!!

 これじゃあ国へ帰れない!!」


日本代表はさんざんな結果に終わった2020年のゲームオリンピックに嘆いた。

その絶望にうちひしがれる様を見ていたほかの国の代表はくびをかしげた。





「おいおい、エロゲー部門は今回も日本がぶっちぎり大勝利でメダル取っただろ。

 大会はじまってからずっと連覇してるじゃないか」



「ますます国へ帰れねぇよ!!!」


エロゲー日本代表は首から下げた金メダルをぶん投げた。

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