一緒にいられる時間

コノアフ

第1話入学式(前編)

(ひ....かる、いつ...をか..て....おね..がい)

ばさっ!!!!

「はぁっなんだ夢か..」


今日はとうとう入学式、充実していた春休みを名残惜しく感じながら新しい制服に着替える。昨日作り置きしておいた。朝食を冷蔵庫から出し温めている間に結衣を起こす。

光「おーい、結衣起きろ!!」

結衣「んー、ふぁあああ」

光「起きろって、始業式だろ?」

結衣「うるさいって、そっちも入学式じゃん」

光「はあ、だから夜更かしは良くないって言ったのに、朝飯できてるから起きて食べろよ?遅刻しても俺のせいにすんなよ?」

結衣「zzz」

光「もう、知らん」

こういった事は長期休暇後は毎回の事である。おそらく遅刻して光のせいにするのであろう。そして、一人で朝食を済ませ支度をする。tritterを見ていると、みんなクラスを教えあい楽しそうにしている。


ピンポーン


光「お、来たか。はーい今行くー」


ガチャ


奏「おはよう」

光「おはよう、いつもより早いじゃん奏」

奏「いやー、新クラスが楽しみでさあ。」

光「お前らしいな」

奏「それにぃ、かわいい子とかいたら話したいじゃん?」

光「そっか...」

奏「まあ、冗談はさておき早く行こうぜ」

光「そうだな」

奏はいつもチャリでいつも光の家に寄ってくれている。

そして始めての通学路を二人で進んで行く

奏「そういえば、お前は部活入るのか?」

光「いや、俺はいいかな。奏は?やっぱ吹奏楽?」

奏「俺も今年からは帰宅部にしようって思ってんだよね。」

光「え?どうして?」

奏「楽器は家でできるし、どうせやるんならいろんな楽器やりたいし、でも学祭とかには出ようと思ってるよ」

光「そうなんだ、じゃあ帰りは一緒に帰れるってことだな」

奏「おう!」

そう話してる間に学校についてしまった。さすが入学式と感心するほどの人だかりだ。自分達のクラスを見ようとするにも混雑しすぎてなかなか見れない。やっと自分のクラスを見ると列を出るのにも一苦労だ。そうしてるうちに奏とはぐれてしまった。奏とは違うクラスだし、まぁいっかと思い自分のクラスへ向かう。

光「5階かぁ、景色いいだろうなあ、疲れるけど」

光はクラスに入った。自分の席を探して座った。みんな前の学校と一緒にいた子と話していたり、そのグループ同士で話し合ったり、よく見れば奏も廊下で他の子と話している。光はボーっとしていた。そして、入学式の時間になった。


ピンポーンパーンポーン


放送「ただ今より、入学式を行います。生徒は直ちに講堂へ集まってください」


ガチャッ ピンポーンパーンポーン


光「こんな感じで集めるんだ、なんか新鮮だなぁ」

生徒全員講堂へ向かう。そして入学式が始まった。



〜~岩見家〜〜


望愛「......あれ!?今何時!!?」

望愛母「あんたまだ寝てたの?何度も起こしたじゃないの」

望愛「お母さん今何時!?」

望愛母「もう9時よ。入学式何時から?」

望愛「うそ...9時20分から........行ってきます!!」

望愛母「行ってらっしゃい、あの子ももう高校生なのね。あっという間ね」


ガチャ!!


望愛「間に合うかな?」

望愛は寝坊したようだ、どうやら新しい学校や新しい出会いが楽しみで眠れなかったらしい。

望愛「入学式から遅刻はまずいよ!」

彼女もまた始めての通学路を走って行く。

入学式にはギリギリ間に合った。

校長「生徒諸君!!神童高校へようこそ!私は校長の清水将憲だ。この学校は文字通り神童を育てるための学校である。だがしかし、全員が必ずしもそうなるわけではない!そのうちの一人になれるよう3年間努力してくれたまえ!」

そしてクラスに戻ったが望愛は汗だくで息切れも激しい。

望愛「はぁはぁっ.........すぅーーー ....はぁ、間に合った」

美穂「はぁー、相変わらずだねえ、またワクワクしすぎてねれなかったの?」

望愛「だって、新しい学校に新しい友達だよ?ワクワクしちゃうよ、そんなの」

担任「おーいそこ、静かにしなさい。」

望愛「ごめんなさい。」

担任「岩見さん、次から遅刻はしないようにしてくださいよ?」

望愛「はい、気をつけます。」


キーンコーンカーンコーン


担任「それでは、まずこの時間はLHになります。このクラスの担任の宇野哲だ!!ラーメンの食べ歩きが趣味です。どうぞ1年間よろしく!!では早速ですが、番号順の席はみんな嫌だと思うので、席替えをしてもらいます。みんな知らない顔の人もいるだろうから、この時間は自己紹介してもらいます。では、紙を配ります。この紙に自己紹介に使う内容を書いてください。あとで背面黒板に貼りますね。」

望愛「自己紹介かぁなんて書こうかなぁ、やったー一番後ろだ!」

席替えをして、望愛は筆箱からシャーペンと消しゴムを出した

望愛「かわいいものが好きっと、ええと、後何かなぁ?あっ」

消しゴムを落とした。

光「おっと、」

望愛「あ、えーと、ありがとう。」

光「どういたしまして」

望愛「?あの名前なんていうの?」

光「....」

望愛「あ、あの...」

担任「みんな書けたか?」

望愛(...私なんか気に触るようなことしたかな?迷惑だった..かな)

光はなんだかそっけない顔をしていたちょっと怖いくらいな

望愛(むううう)

担任「それじゃあ次、鷹見くんかな?お願いします。」

光「あ、はい」

望愛(あれ、優しい顔?)

光「どうも鷹見光です、趣味は料理と音楽を聴くことです。あと、あまり勉強が得意ではありません。よろしくお願いします。」

望愛「ふーん」

望愛はいつの間にか光を見つめていた。

光(なんでこの人俺の方ばっか見てんだよ、....)

光「あの、俺の顔になんかついてる?」

望愛「え!!いや、そういう訳じゃなくて不思議な人だなぁって思っただけ」

光「不思議?」

望愛「うん」

宇野先生「次、岩見さんお願いします。」

望愛「あ、はい。えっと岩見望愛です。好きなものはかわいいものと甘いお菓子です。ワクワクすることがあると眠れなくなります。よろしくお願いします。」

光「...」

望愛「よろしくね、光くん」

光「...」

望愛(むむむむむー!!)















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