第7話 普通の第2部「ホーリー&ダーク!!!」3
ここで1部同様、話を飛ばしてしまおう。なぜか!? そうしないと第2部が終わらないからだ。この時点で第4部までは描けている。それで終われるといいな。第3部の出だしが決まっていて、第2部のエンディングはこれから考えよう。
どの辺から書くか? どの辺から書けば、無事に第2部を終わらせることができるか? そこがポイントかな?
ここはポンジャ城。
「ここは僕とおじいちゃんに任せて、おまえはナヨンを連れて、未来に帰れ!」
ハチハチは、コウに向かって叫んだ。
「嫌よ! 私はハチハチの側にいるわ!?」
「クッ!? 僕は普通にどうすればいいんだ!?」
再会を果たしたナヨンは、もう2度とハチハチと離れたくはない。ナーの気持ちも、未来がどうなるのかも知っているコウは、自分がどうすべきなのか悩んでしまう。
「こいつには勝てるかどうか分からないんだ。僕はナヨンに、僕の好きなナヨンには生きていてほしいんだ!」
「なら、ハチハチも一緒に行きましょう! こんな化け物になんか、勝てないわよ!?」
ハチハチたちの目の前には、人間の2倍くらい身長がある、巨大な人型の化け物が剣を握って立っていた。全身から蒸気を出すように戦う意欲がみなぎっていた。
「ダメだ! こいつはここで僕が普通に倒して見せる!」
「なら僕も戦います! 3人がかりなら・・・。」
「ダメだ! もし何かあったら未来が変わってしまう! 僕は未来では王様になっているんだろう? なら化け物と戦っても、僕は勝ったはずだ!」
「と、父さん・・・。」
「実感ないな・・・。」
コウは初めて、ハチハチのことを「父さん」と呼んだ。言ったコウより、呼ばれたハチハチの方が照れ臭かった。最後の暗黒の騎士は伝説の勇者ハチだった。コウの先祖になる。
「コウ、我が子孫よ。全ての災いの源である、ヨンを止めるんだ! 一度未来に帰ったら、わしの時代に行き、ヨンが化け物になる前に殺すんだ!」
「おじいちゃん・・・。」
「ここはわしたちに任せろ! わしには最後の手段が残っている!」
「・・・分かりました。」
コウは父ハチハチ、先祖ハチの言葉に促され、ナヨンを連れて未来に帰ることを決めた。
「この剣を持っていけ。」
「これは!?」
「伝説の勇者ハチの剣だ。」
「ハチの剣!?」
「僕もさっき、じいちゃんから譲ってもらったばかりだけど、形見だ。持っていけ。」
「父さん。」
ハチハチからコウに伝説の勇者ハチの剣が手渡された。コウの額に3つ目の目が現れる。それは魔族の印でもあった。そして空間に歪みを生じさせ時空の入り口を出す。
「いや! 離して! 私はここに残る!」
「さよなら、ナヨン。」
「ハチハチ!? ハチハチ~!!!」
「父さん、おじいちゃん、ご武運を。」
「絶対に勝って、おまえの父親になってやるぜ!」
「任しておけ! わしたちは負けはせん!」
「僕が普通に必ず世界を救ってみせます!」
「ハチハチ~!!!」
最後の言葉を残し、コウは暴れるナーを抱きかかえ、次元の入り口に飛び込んだ。2人が飛び込むと次元の入り口は消えてしまった。
「ふう~、これで未来に希望が託すことができた。」
「なにを言っている? わしたちもこいつに勝って、生き残るんだ!」
「じいちゃん・・・はい! 勝ちましょう!」
闇に魂を売ってでも100年間生き続け、暗黒の騎士として人間界に戻って来た伝説の勇者ハチ。その目的はヨンを倒すことであったが、敵わなかった。それでも孫のハチハチと一緒に、せめて目の前のポンジャ3世だけは倒すと誓った。
「確かに、そのヨンって人も自己中でサイコパスで性格は悪そうだけど、初代のポンジャ王がいなければ、じいちゃんたちが勇者候補生として、集められることもなかったんじゃないか?」
「そうかもしれんな。人間の欲に目をつけ、つまらない3択で9割の勇者候補生を再起不能にしてしまったんじゃからな。」
「ポンジャ最低・・・。」
ポンジャ国の建国者、ポンジャ1世が災いの始まりだったのかもしれない。しかし、今となっては血を引き継いで伝承してきた王族ポンジャより、100年の眠りから解き放たれ復活した邪悪なる者、世界を闇で覆いつくし、陽の光も大地に通さないヨンの方が強敵であった。
「ガガガ・・・。」
「話は後だ! まずは魔族の本性を現したポンジャ王3世を倒すんじゃ! 幸いヤツはまだ自由に動けないみたいだ!」
「はい!」
ハチハチとハチは、人型の化け物に斬りかかる。なぜか魔族の姿に変身したポンジャ3世は完全な姿にはなりきれていない。体型を成型できていないで、まるで1部がとろけている様だった。
「ホーリー!」
「フォー・ホーリー!」
「ガガガ!?」
「よし! 普通に効いているぞ!」
「このまま攻撃を普通に続けて倒すんじゃ!」
ハチハチたちは人型の化け物を攻撃し続ける。一般成人男子だったハチハチは、4人の暗黒の騎士、いや、4人の伝説の勇者の勇気を託されたハチハチは1人でホーリーを同時に4発撃てるまでに強くなっていた。
「ガガガ!?」
「やった!? ポンジャ3世を倒したぞ!?」
「これで小さな災いぐらいは防げたぞ!?」
「やったぞ!」
「勝ったんじゃ!」
ついにハチハチたちはポンジャ3世を倒した。姿はとろけ飛び散り、人型の化け物の姿は砕け散った。疲れ切っていたが喜ぶハチハチたちの顔は、一仕事を終えて充実感に満ち溢れていた。
「ガガガ・・・。」
飛び散ったポンジャ3世のとろけた体の様子が変だ。一か所に集まり、再び人型の肉体を形成しようとしていた。
「な、なんだ!? 倒したはずのポンジャ3世の体が動いている!?」
「一つに集まっていく!? まさか!? まさか!?」
ポンジャ3世の肉体の破片は、一つの塊となり、新たに1つの人型の肉体になった。どこもとろけていない、完全体になったのだった。額には魔族の証である3つ目の目があった。
「やはりポンジャ王は正しかった。勇者など根絶やしにしなければいけないのだ。我々、魔物を危機に追いやるのだからな!」
「言葉をじゃべれるようになったのか!?」
「どうする!? 僕たちには、もう普通に戦う力は残されていない!?」
完全体になったポンジャ3世は言葉を話せるようになっていた。そして未完全なポンジャ3世との戦いで全エネルギーを使い果たした、ハチハチたちにはどうすることもできないように思えた。
「もうダメだ・・・、僕たちの負けだ・・・。」
「諦めるな! おまえはコウの父親になるんじゃろうが!?」
「コウの・・・。」
「未来でコウの父親になって生きているということは、この目の前の化け物を倒したということだ! こいつを倒す方法が必ずあるはずだ!」
「こんな化け物に勝つ方法がある・・・のか? でも、どうすれば!?」
絶望しかけてたハチハチを、年老いたハチが励まし、勇気を与え、勝てる可能性があると希望を与える。それでも目の前の人であって、人でないものを見て、恐怖するしかハチハチはできなかった。
「わしに1つだけ名案がある。本来は何かあった時に、5人のうちの誰か1人に力を託そうと話し合っていた。おそらく、そそっかしいゴー辺りが、わしとおまえを間違えて、想いを託したのだろう。」
人間違いと一言で片づけてしまえばそれまでだが、そのお陰で暗黒の騎士たちの記憶や力、勇気を得た。長い闇の中での生活、その中でも聖なる力を蓄えてきた。本来はヨンを倒すためだったが、ヨンは想像を超える化け物になっていた。
「わしは、もう年を普通に取り過ぎた。」
月日が経つのは残酷である。ハチ自身も闇の世界で100年の歳をとり、もう若い頃のような力はなかった。ハチたちの誤算は、闇に堕ちればヨンが目覚めた時に戦えると考えていたが、闇に堕ちた自分たちが歳をとってしまったということだろう。
「お前の中にも聖なる心が眠っているはずだ。」
「じいちゃん!?」
「ハチハチ、おまえが世界を救ってくれ!」
ハチはハチハチの手を力強く握りしめる。ピカーン! っと聖なる光が輝きを放ち、ハチハチの中にハチの想い、記憶、勇気、力が注ぎ込まれる。ハチハチの疲れが、受けたダメージが、体力、魔法力が回復していく。
「じいちゃん!?」
「おまえに会えて普通に嬉しかったぞ。ありがとう・・・ハチハチ・・・。」
「ぼ、僕もじいちゃんに普通に会えてよかったよ! じいちゃん!? じいちゃん!!!」
力をハチハチに託したハチの姿は消えていった。ハチハチは悲しみに下を向いて、自分の無力さ、自分が強くないばかりに、じいちゃんを、自分の周りの人間を、そして世界を救えなかったことを後悔して、悔し涙を流す。
「クソ!? こいつだけは・・・こいつだけは、僕が普通に倒す!」
悲しみを振り払うかのように、ハチハチが立ち上がる。目の前にいる化け物になったポンジャ3世を倒すと決心する。
「俺たちの力を貸してやるぜ!」
「私の知能も役に立ててください!」
「ひ、ひ、一人じゃありませんよ!」
「引きこもる前に、最後の決戦だ!」
「みんながおまえに力を貸してくれるぞ!」
声が聞こえる。ハチを始めとする暗黒の騎士たちだった。ハチハチには伝説の勇者たちというより、暗黒の騎士たちの方がしっくり合う。
「じいちゃん、暗黒の騎士たち。ありがとう。」
「さあ、さあ、お礼はあいつを普通に倒してからじゃ。」
「はい!」
「あの闇の塊には闇の力だけでは通用しない。だからと言って、おまえの聖なる力だけではエネルギーが足りない。」
「じゃあ、どうすればあいつを倒せるんだ!?」
「わしたちの想いを引き継いだおまえなら、伝説の勇者としての聖なる力と暗黒としての闇の力の相反する力を使えるはずだ。」
「聖なる力と、闇の力!?」
「聖と闇、真逆の属性を打ち込む時に爆発的な反発する強力なエネルギーが生まれる。それを化け物にぶつけるんだ!」
聖なる力と闇の力を持つ者、それが今のハチハチだった。ただの平和ボケした一般成人男子だったハチハチが立派な勇者になった。使える属性を考えれば、聖闇の騎士といったところか?
「俺たちがサポートする、必殺の1撃をポンジャに食らわしてやれ!」
「おお! やってやる!」
ハチハチは、聖なる力と闇の力を意識して使用しようと試みる。右半身から聖なる光が左半身から闇の光がオーラのようにハチハチを包み込む。聖と闇が反発しているような、共鳴しているような感覚であった。
「これが聖の力と闇の力!?」
「わしたちは5人いたので5人で五芒星を描いていたが、おまえは1人で聖と闇の2つの五芒星を作るんじゃ!」
「私たちが暗黒の騎士をしていて得た力です。」
「あ、あ、暗黒の騎士をやっててよかったね。」
「ハチの孫なら俺たちの孫も同じだ。」
「みなさん、ありがとうございます。」
先人たちの優しさが温かかった。伝説の勇者であり、暗黒の騎士でもある5人から力以上に、行動する勇気を与えられているように感じた。想いは生死を越え、ハチハチに新たな力を授ける。
「できた!? 聖なる五芒星と闇の五芒星!?」
ハチハチの強い想いは、聖闇2つの五芒星を完成させる。しかし聖なる五芒星の形が変だ。聖なる六芒星になっていた。
「これは!?」
「おまえも勇者として、聖なる力を使うことを認められたということじゃ。」
「僕が普通に勇者!?」
戸惑いも少なからずあるが、すぐに戸惑いも消えた。今の自分は目の前にいる化け物と戦うのだから、まさに勇者だと思える、思うことのできる成人男子になっていた。
「よし! いくぞ! ポンジャ王!」
「かかってこい! 忌々しい勇者め!」
聖なる力と闇の力を手に入れたハチハチは、人型の化け物とかしたポンジャ3世に戦いを挑む。
「そういえば、コウのやつ、カッコ良かったな。」
ハチハチは、コウのことを思いだしていた。最初は謎で、ナナナナにも気軽に声をかける嫌なヤツだと思っていた。まさか、自分の息子だったとは。真実を知ったあとでも息子というよりは親友という想いの方が強いのだが。
「僕に力を貸してくれ!」
ハチハチは剣を抜き駆け足で化け物に突進していく。聖なる六芒星と闇の五芒星を1つに合わせて、必殺の1撃を放つ。
「ホーリー&ダーク!!!」
第2部 ホーリー&ダーク!!! 完
書きながら登場人物を整理。
人型の化け物。ポンジャ3世。
書きながら謎を整理。
①おじいちゃんが一緒にいる?
②ハチハチとナヨンはどうやって再開できた。
③コウは未来を知っている?
④人型の化け物の正体は? あ・・・登場人物に書いちゃった(⋈◍>◡<◍)。✧♡
そろそろ謎を書かなくても、ネタバラシが多くなってきたので、よくなってきたような?
真ん中で1度投稿3200字・・・もうラストに持って行かなかったら、5000字オーバーで終わらない・・・。カドカワ・カクヨムは投稿しないと字数が分からないので、本当に書きにくいな。
「ホーリー&ダーク!!!」を放ったところで5000字超えてる!? あと2場面なのに、どうする? 全部書いて、また7000字までいってしまうか? それとも良い所で無理やり終えるか?
逆に、ダラダラ書くよりも「ホーリー&ダーク!!!」で終わった方がいい感じ。
つづく。
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