行くあてもなく乗った電車から見た隣町の夜景は、銀河のようだった。

“かわいい左記子ちゃん”の皮をかぶり過ぎて、本当の自分がわからない左記子。
高校卒業直前、母が死亡。左記子は町を出て、“隣町銀河”を巡る旅に出る。

公開初日頃に2話まで読んで、ずっと忘れていたのですが。
突然「あれ読みたいな」と思い、検索して探しました。

奇妙な男に誘われて、電車に住み込みで働くことになった左記子
昔憧れていた、電車に乗り続けて電車の中で暮らす、という奇妙な生活。
どこにも属さず、ただ美しいものだけを眺めていられたなら。
高校時代、唯一“かわいい左記子ちゃん”に反応しなかったクラスメイトは、今の自分を見てどう思うだろう?

夢が叶ったかに見えて、替わりに失われるものもあって。
電車を降りようか迷ったとき、一人の客が乗車してくる――。

隣町銀河を巡る左記子の夜の旅は、どこへ向かうのか。
“左記子ちゃん”から逃れることはできるのか。
美しい言葉と、ひりひりした心の叫びが印象的な物語でした。