中学生の恋。

おにぎりまる

第1話 出会い

僕と祐奈が出会ったのは小学校だった。

しかも、仲良くなったのは卒業を間近に控えた6年生の1月。

運動が苦手でかっこ良くもない僕と、クラスで数グループできていた女子の輪の中の一つで、中心的な存在になっていた祐奈が仲良くなったきっかけは、当時の小学生高学年ではかなりの人がネットによって知っていた「MIKU」というボーカロイドがお互いに好きであったからだった。


すぐに仲良くなった2人は、ボーカロイドをそれほど詳しくない僕に、祐奈がボーカロイドの曲を教えたりするという関係になっていった。


「この曲聴いてみてよ」

「うん、わかった。家帰ったら聴いてみる」


と言った会話を学校で交わし、翌朝には


「昨日の曲聴いてくれた?」

「うん。気に入って何度も聴いてたよ」

「ほんと?気に入ってくれてよかった」

といった具合にボーカロイドを通して仲を深めていった。

この時は僕はとても楽しかった。


気づけば、放課後も公園で遊んだり、雪の降った日には2人で雪を投げ合ったり、祐奈がバレンタインデーに手作りのクッキーをくれたり。

祐奈にもらったクッキーが僕の人生初のバレンタインプレゼントで大喜びした。


小学校はそのままの関係で卒業をした。

しかし、この時すでに僕は祐奈を意識をしていた。

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